大きなボートについている、あのながーい竿は何? 「アウトリガー」 【海の道具】
ハワイやフロリダなど、オフショアスポーツフィッシングの盛んなところにあるマリーナの写真をみると、多くの大型ボートに、なにやら竿のようなものが突き立てられていることに気づきます(上の写真はアメリカのフロリダ)。
戦闘的で、かつメカニカルな雰囲気もあってかっこいいのだけれど、その用途を理解している人は案外と少ない。トローリングに興味のない人たちにとっては全く無縁な長尺物の飾りでしかありません。
それに、マリーナの周辺で見ている限り、使われている様子はないし、アンテナにしては、左右対称に用意されているのが解せないし。
トローリングとは、簡単に言うと船を走らせながらルアー(疑似餌)を流す釣法です。ゆっくりとボートを走行させることで、糸についたルアーが、まるで生きた魚が泳いでいるかのように見えるのです。
ボートの左右に取り付けられている長い竿は、トローリングをするときに、複数個のルアーを流すための艤装で「アウトリガー」と呼ばれているものです。使用目的は単純。使用する際は、立てていた竿を左右に開き、その先端や中間からラインを流すことで、それぞれのルアーが絡まないようにするわけです。
せっかくクルーを募り、大きな船を出してカジキを狙うのだから、少しでも多くのルアーを流してヒットの確率を上げたいと思うのは人情。そのあくなき欲望の象徴がアウトリガー、というわけです。
さて釣られているのは魚か、はたまたボートアングラーか。
※この記事は過去の「Salty Life」の記事に加筆・修正して掲載しています。