べったりまとわりつくけど、我慢してください 「グリス」 【海の道具】
機械の可動部には潤滑油がよく使われますが、なかでもベアリングや車軸のように、常にスムーズに動き続けることが義務付けられている部分には、よくグリスが塗りたくられています。グリスもオイル系の物質ですが、固体と液体の中間、ジェル状のものがグリスです。
オイルのように流れ落ちてしまうのではなく、べったりとそこに留まって張り付き、金属と金属の間に入り込んで滑りを良くする。そういう摩擦部分に使われるグリスは熱にも強く、溶けにくくできていて、耐熱グリスなどと呼ばれています。
それだけではなく、隙間を埋めることで水の侵入を防いで錆などの腐食を防ぐ役目もしているのだから、なかなかの働き者。特にその作用が大きいものは耐水グリスといって、これは海の道具にはかなり重宝されます。
グリスにはオレンジなどの目立つ色を着色したものもありますが、これは明らかにそこに塗られていることを表すためと言われています。ボートに取り付けられた船外機などを注意深く眺めてみると、そこかしこにグリスが塗られているのが見て取れるはずです。
ただ、その特性ゆえに洗濯を担う方々には嫌われたりもします。作業着などの洋服に付着するとちょっとやそっとでは洗い流せず、他の洋服にまでべったり付きまとってしまうから。
「べったり」というと、なにやら暑苦しくて嫌気がさしそうだけれど、グリスはとっても役に立つ優れもの。我慢してあげてね。