八つ当たりして、お怪我されぬようご注意を 。 「バッテリー」 【海の道具】
寒い冬の朝や、久しぶりに出港しようなどというとき、いざエンジンを掛けようとしたらバッテリーがあがってしまっていて、うんともすんとも言わない。おもわず蹴っ飛ばしてやりたくなるけれど、マリン用のバッテリーはやたら重いので、御身足のためにもそこは思い留まっていただきたいものです。
ここはひとつ冷静に、まずは充電です。
バッテリー自体の機能が破損されていては充電してもよみがえりませんが、ただの放電であれば、充電することで再度使用することが可能になります。そこで少し、バッテリーの薀蓄を語ってみることにします。
バッテリー内に蓄えられた電気を放電すると、+(プラス)と−(マイナス)の両極板が化学反応を起こして中の液体を化学変化させます。充電すると、また、極板が化学反応して液体も化学変化を起こし、元に戻ります。
これが永遠に続けばいいのですけれど、充放電を繰り返すと極板自体が腐食してしまいます。これがバッテリーの劣化となり、寿命となるのです。
また、放電すると、極板の上に電気が通りにくい膜が発生して、放って置くとそれが固まってしまいます。すると電気の流れが悪くなって、充電しにくくなる、蓄電量が減る、放電しにくくなる、といった悪の限りを尽くすのです。
ところが、近頃の充電器の中にはこれを退治してしまう“正義の味方”機能が備わっているものがあります。
蹴飛ばして足を痛めるよりも、小まめに充電して、同時にバッテリー内をきれいにして長持ちさせたほうが得策、というワケですね。ぜひご一考を。
※この記事は過去の「Salty Life」の記事に加筆・修正して掲載しています。