日本全国のシースタイルで釣りがしたい。 【社員紹介】
「いま、走水(神奈川県横須賀市)の沖で太刀魚が釣れてるみたいですから、行ってみましょう。ここから15分も走れば着きます」
そう言って、溝邊景祐さんは横浜ベイサイドマリーナからボートを出してくれました。この日はゲストを乗せてシースタイル艇(ヤマハ発動機が運営するレンタルボートのサービス)での釣行です。
溝邊さんはヤマハ発動機のグループカンパニー、ヤマハマリーナ株式会社ヤマハボート横浜店に勤務する営業マンで、大の釣り好き。2020年に同社に入社する以前からボート免許を所有し、シースタイルを利用しながらボートフィッシングを楽しんできました。
「自分でボートを操船して釣りをするようになって、ボートフィッシングにハマりました。一人で海に出るのも楽しいですし、家族ともボートで遊びます。何より多くの仲間と一緒に釣りが楽しめるのがいいですね」とボートフィッシングの魅力について語ります。
ジェットコースターの見える八景島、さらに横須賀沖に浮かぶ猿島を右手に通り過ぎ、観音埼灯台の見える釣り場に着くと、魚群探知機でタチウオの群れを探り、ジグ(ルアーの一種)を落とし込み、釣りを始めます。
「実は釣りは初めてなんです」という初心者のゲスト(といっても「海の時間です。」の編集長なのですが)に「こうしてルアーを落としていくとリールから出ていく糸が止まりますから、それが着底した合図です。それからリールでルアーを巻き上げて。きっと釣れます」とアドバイス。
最初はタックルの扱いに難儀していた編集長もなんとなく様になってきました。そして待望のタチウオ。最初に釣ったのは、なんと編集長です。初めての釣果に歓びと興奮を隠せません。溝邊さんがタモを取り出してタチウオを掬い上げ、しっかりとランディング。このときの船上は大いに盛り上がりました。
「自分が船長で案内したところで釣ってくれて、喜んでくれる。自身が釣り上げる時とは違う格別の嬉しさ、感動があります。これもボートフィッシングにハマった理由のひとつです」
本当に嬉しそうな顔で溝邊さんは語ってくれました。そしてこの後、溝邊さんもしっかりタチウオをキャッチ。楽しい取材のひとときをすごすことができました。
溝邊さんのボートフィッシング体験の最も古い記憶は5歳の時の時に遡ります。もう30年以上も前のことですが、それでも溝邊さんには忘れられない思い出なのです。
「福岡の博多で生まれ育ったので、海は身近な存在でした。子どもの頃は父親に連れられてよく一緒に釣りを楽しんでいました。ある日、糸島(福岡県の最西端)に釣りに行って、手漕ぎボートを出して釣りをしたんです。それが初めてのボート体験。よく晴れた日の穏やかな海はとてもきれいで、ボートって楽しいなと思いました。さらに、このとき、それまでの陸釣りでは体験したことのない爆釣だったんです。シロギスが1時間で100匹も釣れたんですよ。ボートってとんでもなくすごい!と思いました。ボートのポテンシャルを実感したのが5歳の時です」
京都の大学を卒業後、最初に務めたのは“宇宙”関連業界。まさに池井戸潤さんの小説“下町ロケット”の世界でした。その間ももちろん釣りを楽しみ続け、ボート免許を取り、レンタルボートと出会い、そして縁があってヤマハマリーナ株式会社に転職。巷では「趣味を仕事にするな」などと言われることもありますが、「ボートを購入していただいたお客様と釣りに出かける機会もあります。お客様に喜んでもらえ、笑顔を見ることのできるのがとても嬉しい」という溝邊さんにとっては、どこ吹く風、といったところでしょうか。
ヤマハマリーナに入社後は、釣りだけでなく、ロングクルージングなど、お客様のマリンライフのお手伝いをすることもあるそうで、ボートで海に出て行くことの楽しさばかりか、ボートそのものの奥深さを知る日々が続きます。釣りだけで無く、乗り物としてのボートの魅力もこれまで以上に知ることができました。
それでも溝邊さんの「海を愛する理由」は「ボートフィッシング」が最上位項目。
「シースタイルのホームマリーナは日本に約140カ所あるのですが、そのすべての海域で自ら操船し釣りをしてみたい」
それが今、溝邊さんが抱いている壮大な夢です。
題字:溝邊景祐