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アマゾンの200倍もの水量が流れる、世界第二位の海流 「黒潮」 【海の博物誌】 

 日本の遙か南、台湾の東あたりから沖縄の西を通り、本州の太平洋岸沖を北上する「黒潮」。水面の温度は15~20度の暖流で、日本の気候を温暖にし、カツオを始め豊かな海の幸をもたらします。ですから、まさに本格的なシーズンを控えたカジキ釣りファンにとっては、目下、まことに気になる、濃い藍色の美しい海流なのです。

 さて、海流は海の川ともいわれますが、その規模は陸の川とは比較にならないほど大きいものです。幅は150~300キロメートル、深さは400~900メートル、流れの速さは1時間に1~4海里(ノーティカル・マイル=時速1.85~7.4キロメートル)。

 黒潮によって運ばれる水の量は1秒間に2,220万立方メートルで、これは世界一の水量を誇るアマゾン川の200倍に達します。これを熱量に換算すると1秒間に3,800億キロカロリー、すなわち石油を38,000キログラム燃やしているようなものだといわれているのです。また、その海水に含まれる塩分は788,000トン。塩を満載した10トントラックが毎秒78,800台が通り過ぎている勘定です。

 それでも海流の規模としてはメキシコ湾流(ガルフ・ストリーム)に次ぐ世界第2位。このガルフ・ストリームは、文豪・ヘミングウェイが愛した海流で、「老人と海」の舞台となった海を流れる海流です。

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