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見てくれだけじゃない船外機カバー 【海の道具】

 日本人は他の民族に比べると、カバーをかけるのが好きなのだとか。
 家の中を見渡せば、電話機やボックスティッシュ、ソファにドアノブと、様々なところにカバーが掛けられていることがあります。
いやあ、昔はテレビや車にも必ずカバーが……などと口を開けば歳がばれるので慎みますが、確かに大事なものには必ずカバーをかけることが多かったのです。

 コクピット(操縦席)がオープンなボートは、たいていボートカバーで上面を覆っているものですが、船外機にもちゃんとカバーが用意されています。船外機のエンジンには、トップカウルという“カバー”が既にかかっているのですが、その上に布製のカバーをかけるわけです。
 市販されているものの多くはビニールコーティングされた生地で、基本的には車やバイクで使っているものと変わりません。業務船のように頻繁に稼動する船外機には掛けられることは希ですが、レジャー船など長期に屋外保管されるボートに取り付けられた船外機に掛けられることが多いようです。
 また、途上国などでは船外機は大切な財産ですので、業務用船外機に古い毛布などで自作したカバーを掛けられているのを目にします。

 市販されている船外機カバーには、船外機全体をカバーするものとトップカウルだけをカバーするものの2種類があって、もちろん紫外線や汚れを防ぐのがメインの目的ですが、そればかりではありません。
 あるエリアでは、ほとんどの船外機にカバーが掛けられていることもあるといいいます。そのエリアでのカバー装着一番の目的は、鳥や蜂の巣対策なのだそうです。
 船外機のトップカウルには空気を取り込むエアインテークがあって、どうやらそこが鳥や蜂にとって、格好の巣穴に見えるというわけです。せっかく巣作りしたところにエンジンを掛けられ鳥達にしたら迷惑な話かもしれませんが、吸気不足でパワーが出なくなった船外機の持ち主だっていい迷惑。

 お互いにメリットのない巣作りですが、相手は言っても聞く耳を持たないとなれば、人間が対処するしかありません。


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