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私的「お雑煮選手権」準優勝の逸品です。 【レシピ- 船厨】

  正月三が日の祝い膳として、多くの家庭で振る舞われる雑煮。ただし、東日本と西日本では根本的に味付けが異なったり、日本全国でその土地ならではの食材を使ったり、さらには家庭によってもスタイルがあったりするわけで、それこそ、雑煮は人の数だけ存在しています。そもそも雑煮とは、「ごった煮」の意味であるからして、多種多様の雑煮があるのは当然といえば当然です。

 筆者はというと、幼少から、小松菜の入った醤油仕立ての雑煮に慣れ親しんできました。ところが所帯を持つようになって、正月に出てくる雑煮が相手方の実家の雑煮に様変わりしました。昆布だしの汁に鶏肉、溶き卵、そして三つ葉が入っただけのシンプルな雑煮でしたが、これがなんとも美味いのです。申し訳ないけど「お袋の味」の敗北です。で、年が明けると三が日どころか、買い置きの餅がなくなるまで、この雑煮を食べ続けます。そんなに好きなら、正月じゃなくても作ればいいじゃないかと、誰かから指摘されたことがありますが、そこは拘りがあります。やはり雑煮は正月なんです。

 本欄のテーマでもある“海産物を使った雑煮”も、もちろんいろいろあると思います。以前、漁業系のPR誌で日本各地の港町のお雑煮を集めて紹介するという企画を実践してみたことがあるのですが、けっこうな数です。すべてを食べてみたわけではないのですが、鮭といくらを使った雑煮は絶品でした。「腹子飯」ならぬ「腹子雑煮」です。と書くと、東北地方の雑煮と言えなくもないですが、北海道でも鮭と筋子を使った雑煮がちゃんと存在しており、むしろこちらが本場なのかもしれません。

 餅と鮭を堪能してから、最後に椀の底に沈んだイクラを汁ごとズズっとやって食べきります。これも美味い。味噌ラーメンのコーンみたいですね。「お雑煮選手権」というものがあったなら、準優勝。もちろん優勝は、我が家の鶏肉の雑煮なんですけど。

鮭といくらの雑煮
■材料(2杯分)
塩鮭(甘塩)2切れ、いくら1パック、餅4個、三つ葉適量、出し昆布1枚、和風顆粒だし 小さじ2、酒大さじ1、砂糖ひとつまみ、塩小さじ2、醤油小さじ1、水700cc
■作り方
1)鍋に水と出し昆布を入れて30分以上置き、昆布が柔らかくなったら中火にかけ、沸騰直前に昆布を取り出す
2)半分に切った塩鮭を入れて煮る
3)和風顆粒だし、砂糖、酒、醤油を加える。塩は小さじ1を入れ、塩鮭から出た塩味を確かめ、残りの塩小さじ1を加減しながら加えて味を整える
4)餅は焼いておき、お椀に入れ、3の鮭と汁を加えいくらを好きなだけ乗せ、みつばを添える

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