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“う”のつくものを食べて元気を出そう 「鰻のひつまぶし」 【船厨-レシピ】

 まもなく、土用の丑の日ですね。本来、土用は春夏秋冬の4回あって、それぞれに丑の日があります。でも、今では「土用の丑の日」と言えば、夏のそれを指すことがほとんどです。
 そして日本では、この丑の日にウナギを食べる習慣が定着しています。丑の日に「ウ」のつくものを食べると夏負けしない、というのがその由来なのですが、実際、ウナギは高タンパク、ビタミンも豊富だから、一応は理にかなっているようです。

 日本のウナギ(ニホンウナギ)は、太平洋のマリアナ諸島西海域で産卵し、黒潮に乗って北上してきた稚魚(シラスウナギ)が、川に遡上して成長した魚。国内で流通している国産ウナギは養殖ものがほとんどで、稚魚であるシラスウナギを捕獲して育てたものです。
 そのウナギも昨今、市場環境が大きく変わってきました。乱獲のためか、はたまた環境変化のためか、養殖に必要なシラスウナギ(ウナギの幼魚)の漁獲が減少を続けてきました。そうしたなか、昨年、そして今年は豊漁だったそうで、養殖業者さんや鰻やさんも胸をなで下ろしているところかもしれません。
 とはいえ、国産モノはやはり高価です。また、豊漁だとはいうものの、一時期に比べてシラスウナギが大幅な漁獲減に直面していることに変わりなく、1960年代には100トンの水揚げがあったのに2019年はわずか3.7トン。それが2020年に17.1トンになったというレベルの話(それでも日本の養鰻池は満杯になったそう)だから、消費者も喜んで食べるのにいささか躊躇せざるを得ないところです。 

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 そもそもウナギは、シラスウナギが安定して漁獲されていた時代から高価な食材でした(江戸時代はまた別のハナシ)。ある世代の人々にとっては法事やら誕生日やら、特別な日にのみ口にできる食事であったことでしょう。それがいまでは輸入品も増え、ファストフード店で、さらにコンビニでも手に入れ、口にできるなど、多くの人が容易に食べられます。
 寿司ネタのマグロと同じく、日本国民の食生活は大きく変わったのだなあ、と思わされます。
 高価な浜名湖産のウナギを手に入れました。せっかくだから、ひつまぶしにしてウナギを2度、味わうことにしました。

「鰻のひつまぶし」(3〜4人分)の作り方
■材料
鰻の蒲焼き2尾、ご飯2合、みつば適宜、小ネギ適宜、だし汁2~3カップ、わさび適宜、山椒適宜 
■作り方
1)市販の鰻の蒲焼き(もちろんできるなら自分で焼いても)の皮の方を下にしてフライパンに入れ、中火で皮がぱりっとするまで焼く
2)炊いたご飯に鰻のタレを入れてかき混ぜ、櫃に入れる
3)1の鰻を食べやすい大きさに切り、櫃に入ったご飯の上に敷き詰めるようにして乗せ、山椒をかける
4)三つ葉を添えて出来上がり。最初は茶碗によそってそのまま食べ、二度目は同じく茶碗によそい、熱いだし汁をかけて食べる

※この記事は過去の「Salty Life」の記事に加筆、修正して掲載しています。

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