七つの海は七色の海 【海の博物誌】
日本近海を流れる海流のうち、「黒潮」は親潮に比べてプランクトンが少ないので、透明度が高く、名前の通り黒っぽい。この場合は澄んでいるために黒っぽく見えるのですが、海水が青以外の色に見えるときは、たいてい色のついた物質が含まれています。
たとえば「赤潮」。赤茶色の植物プランクトンが大発生して海水が赤く見えます。また、アラビア半島とアフリカの間にあって、スエズ運河に通じる「紅海」は、よく赤潮になるのでそう名づけられたとされています。
一方、東京湾の奥などで発生して、しばしば問題になっているのは「青潮」。富栄養化の結果、硫黄の粒ができて、その白と海水の青が混ざって水色に見えるのです。
中国の沿岸、揚子江と朝鮮半島に挟まれた「黄海」は、黄河から流れ出る泥水のために茶色っぽくなっているので、こう呼ばれます。
同じ美しい海でも、たとえばカリブ海・カンクンの海の色とインド洋・モルジブの海の色ではこれも異なります。
あなたの好きな海は何色でしょうか?