ヘミングウェイに捧げる 【Tadamiの絵日記(風)】
「小学生3年のとき、映画館で「老人と海」を観ました。それまでハゼ釣りくらいしかやったことがなかった僕にとっては、カジキが水面を割って飛び出すジャンプと鮫に食われて骨だけになった姿が強烈に印象に残りました。手釣りでのカジキとのファイトや、釣った鯵をナイフで切ってそのまま食うシーンも刺激的でした。3年前にキューバを訪れました。ヘミングウェイが暮らしていたフィンカビヒア(白亜の家)や、庭に展示されている彼の愛艇「PILAR」も観てきました。そのときハバナの街中で釣ってきたばかりのキハダを担いで売りに来ている漁師とすれ違いました。その瞬間、僕はタイムスリップして「老人と海」の主人公、サンチャゴを見た想いがしました」(Tadami)
7月2日は小説家・ヘミングウェイの命日です。「老人と海」はヘミングウェイのノーベル文学賞受賞にも影響を与えた名作です。海にたったひとりで大魚と向き合いながら綴られるサンチャゴの独白は、人間と海、自然との関係を考えさせられます。そんな言葉をひとつひとつ思い出しながら、夏の海を一人静かに航くのもお勧めです。
Tadami(タダミ)
専門誌「KAZI」「ボート倶楽部」、ヤマハ「キャプテンズワールド」、米国の「SAIL」などでヨット、ボート、海の世界を描き続けるイラストレーター。ボートやヨットの試乗レポートでも活躍。おそらく日本最多種類(230種類以上)のボートを試乗テストしてきた。