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渋い銀髪の船長とコミュニケーション? 「国際VHF無線機」 【海の道具】

 グローバル化が進んだとはいえ、日本にはまだまだ英語アレルギーの方も多いと思います。日頃は多弁なのに、街で見るからに外国人と思しき人が地図などを片手に辺りを見回していると、ついつい目をそらせて足早に去ってしまう、なんていう方もいるのではないでしょうか。

 それともうひとつ、無線機での会話が苦手という人も多そうです。一方的にしゃべり、しゃべり終えた事を伝えて相手の話を聴く。相手のしゃべり終えたのを確認して、またこちらがしゃべる…。その繰り返しがもどかしいのと、あの独特な間にためらいを覚えそうです。それに無線というもの、電話と違ってなにやら無駄話をしてはいけないような雰囲気があります。さりとて、特に海の上では、よほどの緊急事態以外は、仲間同士で航行中に重要な話などあるはずもありません。せいぜい釣果の自慢と帰港後の居酒屋選びくらいなものです。

 そんなシャイな方たちにとって、まさに天敵ともいうべき舶用機器のひとつが国際VHF無線機かもしれません。
 タクシーや刑事ものドラマでお馴染みの、馴れない業務連絡的会話に加えて、外国航路のバリッとした銀髪のキャプテンにも聞かれているかもしれない(聞いてはないし、銀髪かどうかも怪しいのですが)と思うと、シャイな船長は声が上ずってしまう、なんてことも。

 ただしこの機械、もしもの際には強力なお助け発信機となるのです。先述した「緊急事態」において、です。なにしろボタンひとつで、電波が届く限りの船や基地局に緊急信号が届けられるのです。しかも自分の位置情報まで一緒に届けられるというのだから、語学音痴にはありがたい存在です。
 あとはただ一言、マイクに向って「メーデー、メーデー、メーデー」と叫べば、銀髪のキャプテンが助けに来てくれる、はずです。
 国際VHF無線機の使用には無線技士資格と無線局の開局届けが必要です。お忘れなく。

※この記事は過去の「Salty Life」の記事に加筆・修正して掲載しています。

ヤマハボート


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