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Sea-Style「水路を航く、船上時間」【ヤマハマリンクラブ・シースタイル】

 シースタイルでも人気の高い東京ベイエリアは関東圏でのご利用の方には馴染みのあるゲレンデではないでしょうか。特に水路巡りと湾奥での釣りが人気で、不思議なことに何度訪れても飽きない、魅力に溢れた水域です。

荒川ロックゲートへ。係員のアナウンスがあるので指示に従って進入する

閘門こうもんから水路へ

 今回は東京夢の島マリーナを拠点に運河を巡りながら羽田空港までのクルージング。マリーナを出港して新砂水門を抜け、まずはリバークルーズの定番である荒川ロックゲートに向かいます。この荒川ロックゲートは荒川と小名木川、隅田川へと抜ける水路を結んでいる閘門です。水位の異なる二つの河川を結ぶための水位調整装置と言えばイメージしやすいでしょうか。閘門には係員のアナウンスによって入っていきますが、もし初めて閘門を通過するのであれば、ゲートに入る前にフェンダーを両舷に設置して、ボートフックを用意。もし同乗者がいるようなら、水位変動でボートが不安定にならないようにチェーンなどを掴んでおくように指示を出しておきます。後は反対側のゲートが開くのを待つだけ。他船によって閘門が稼働中だと、20,30分は待つことになるので、時間に余裕を持って利用した方がいいでしょう。

時間が交錯する水路

小名木川は両岸の高さが水面と近いので、ゆっくりとした時の流れを感じます

 荒川ロックゲートを通過すると小名木川に入ります。利根川の水運を利用して物資を江戸城へと運ぶために開削されて水路となった川で、行徳(千葉県)の製塩を江戸城に運び入れるために造られ、その開削に携わった小名木四郎兵衛から、水路の名前が付けられました。横十軒川と交差するクローバー橋をくぐり抜け、扇橋閘門おうぎばしこうもんで再び水位調整を行い、ゆっくりと船を進め、萬年橋を過ぎると隅田川に合流します。
 運河巡りは時間や天候によって、いろいろとルートを変えながら景色を楽しむと、通る度に新しい発見があり、家族や友人と一緒なら会話も弾むことでしょう。特に隅田川のようなロケーションであれば、言問橋ことといばし吾妻橋あずまばしから勝鬨橋かちどきばしまでは橋の由来をひとつひとつ語るだけでも立派なガイドになれます。交通量の多い隅田川は、追い越しのタイミングも難しいので、無理にスピードを上げずに、事前に調べた隅田川周辺にまつわる話を披露すれば、船上から見る風景や会話は格段に広がり、思い出に残る時間となります。

ランチや休憩は浜離宮がオススメ

見どころいっぱいの東京クルージング

 ボートは隅田川を下って浜離宮へ。十一代将軍徳川家斉の頃に現在の姿になったと言われる浜離宮の海側は都心でも数少ないアンカリングスポット。お花見に時期には所狭しとボートが停泊しているが、普段は静かでランチを取るには絶好の場所です。海側から庭園やその背景にある汐留の高層ビル群を眺めながら休憩した後は、レインボーブリッジを抜けて南下し羽田沖へ。海のコンディションが良ければお台場を見ながら航路を南下、もしくは運河沿いにモノレールを眺めながらのコースも見応え十分です。

海から見る景色は格別。お台場も陸上からの眺めとはひと味違います。

 羽田空港の誘導灯に着いたら、後は飛行機が来るのを待つだけ。誘導灯の周りはシーバスのポイントにもなっているので釣りをしたり、アンカリングで休憩したりと、時間や天候に合わせた遊びができるので、クルージングの目的地としても人気です。
 羽田空港からは一気にゲートブリッジを目指してマリーナへ戻るも良し、時間があるようなら、運河沿いを戻り、神田川や日本橋川など、さらに都会の水路へと船を走らせるのも舟運の楽しみ方であり、初めてのクルージングであれば景色に飽きることはありません。
 駆け足で東京の水路を紹介しましたが、同じ場所でも水上と陸上では目線も流れる時間の早さも異なる別世界。水路であれば半日ボートを走らせるだけでも十分リフレッシュできるので、オリジナルのクルージングプランで楽しんでみてはいかがでしょうか。

羽田の誘導灯で飛行機ウォッチング。その迫力に圧倒されます


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