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地道に大切なお仕事 「マリン用バッテリースイッチ」【海の道具】

「バッテリーにわざわざスイッチをつける理由なんてある?」
「だよねぇ」
 そんな会話が交わされることがあります。
 ビギナーのキャプテンが車のようにエンジンをかけるべく、キーを差し込んで回しても、ウンともスンとも言わず、マリーナのサービスマンにメンテナンスの不備を食って掛かった時、「バッテリースイッチをオンにされました?」と冷静に指摘され、アフトデッキのハッチを開けて、はいつくばってバッテリースイッチを入れたらあっさりエンジンが掛かった、なんてことは、いかにもありそうな話です。 


 もちろんバッテリーにスイッチがあるのには理由があります。
 第1が、完全にバッテリーをオフにすることで、放電を抑止する効果。ボートは車程使用頻度が多くないので、わずかな放電でも、長期になればバッテリー上がりにつながってしまいます。さらに言えば、漏電などによるバッテリー上がりも根源で電流をカットしていれば影響を受けることがありません。
 まあ、この機能がメインなのですが、もう一つ、2個目のアクセサリーバッテリーとエンジン始動用バッテリーを遮断させる機能を持っているバッテリースイッチがあって、これはアクセサリーの使い過ぎがエンジン用バッテリーに影響を与えないようにする狙いがあります。機能はとても単純ですが、大変重要な仕事をしているのがバッテリースイッチなのです。 


 社会でもそういう仕事を地道にこなしている方々がいますが、頭の下がる思いです。バッテリースイッチもそんな思いで眺めてやると、冒頭の八つ当たりのような会話も静まるというもの。
 もし誰かに「バッテリースイッチのようなお仕事をされているんですねぇ」と言われたら、ああ、褒められているんだなあと照れていただきたい。いや、そんな回りくどい誉め言葉を使う人はいないだろうけど。

ヤマハボート


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