大海原にコンサートホールをつくる 「マリンオーディオ」 【海の道具】
海で聴きたい音楽。人によって様々でしょうが、筆者に何かと問われれば、洋楽ならロッドスチュアートの「Sailing」、日本の歌謡曲なら加山雄三の「海・その愛」と答えます。そう、何を隠そう団塊の世代です。
音楽は「シーン」を演出してくれるすてきなアイテムです。クルージングしたときに見た満天の星空や、大好きだった彼女の、髪を潮風になびかせていた横顔を眺めるとき、そこに音楽があると印象が強まったりします。何年たった後でも、そのときにかかっていた音楽を耳にすると、情景がはっきりと浮かび上がってきます。とくに海で聴く音楽は最高なのです。
好きな音楽を聴くために海に出て行くのも、いいですね。大海原に出て、エンジンを切れば、聞こえるのは船縁に戯れる、さざ波と風の音だけ。デッキチェアに寝転び、ボートの揺れに身を任せて、大音量で好きな音楽を楽しむ時間が好きです。
はたまた、豪快にエンジンを全開にして、ハル(艇体)が海面を叩く音にも負けないほどの音量で、軽快なテンポの曲をかけ、リズムに合わせてステアリングを切るのも好きな時間です。そんなときは、音楽が後ろへとすっ飛んでいくかのような錯覚にとらわれます。
さて、昨今のボート専用のマリンオーディオは、当然ながらUSBケーブルからも音源が取れるようになって、音飛びの心配もなくなりました。それに、防水スピーカーを取り付ければ、オープンエアで音楽が楽しめます。
釣りやクルージングだけではない、もう一つの、海の上でのフネの楽しみを、ぜひとも味わっていただきたいものです。
※この記事は過去の「Salty Life」の記事に加筆・修正して掲載しています。