ロープカッターは“オトナ少年”憧れのアイテム 【海の道具】
刺身専用の包丁があるように、ロープを切断するための専用の刃物としてロープカッターがあります。
専用刃物は、その形状に特徴が表れますが、ロープカッターの場合も刃の形状が特徴的です。パッと見は、まるで食パン用のナイフのようです。つまり刃が凸凹と波打っているのです。
切断する対象であるところのロープの構造を思い出してみましょう。細い糸を撚り合わせ、更にそれをまた撚り合わせ、といった具合に作る三つ打ちロープ、撚り合わせたものを編み込んだ八つ打ちロープ、伸縮しにくく耐破断力に富んだ中心部を持ち、滑りやすく摩擦に強い糸を編み込んだ外皮に包んだもの……。いずれにしろ、沢山の糸を撚ったり編んだりした紐がマリン用のロープなのですが、ロープカッターは凹凸になったそれぞれの刃の先端部が、糸を引っかけ分断することで、スムーズにロープをカットすることができるようになっているのです。
また、ロープの糸は撚り合わせているだけなので、カットすると切り口からほぐれ、バラバラになって始末が悪い。そのため、ロープカッターを使用する前に、カットするところにビニールテープをきつく巻き付けておいて、ビニールテープごと切断すると糸の解れを防止できます。
実はロープカッターにはもう一つ、別の種類のものがあります。そちらは電気式なのですが、刃はついていません。その代わりに先端に電熱線が付いていて、ロープを焼き切って切断することができます。このロープカッターの優れている点は、切り口の端末処理が同時にできてしまう所。こちらは電源コンセントが近くにあって、同じ場所で、いくつものロープをカットする必要が多いところで使われます。主な設置場所にはマリンショップなどですね。
漁師が腰に差している“マキリ”というナイフには、片側が直刃で峰側がロープカッターになっているものがあります。ああいうナイフをかっこよく使いこなしたいと思うのは、船で遊ぶ“オトナ少年”達の夢なんです。