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好きな具材を好きなだけ。手づくりの強みですね。 【レシピ- 船厨】

 ありがたいことに、日本全国の海に旅することが多く、各地で旨いモンに遭遇しています。出張の際はさすがにボートで当地まで行くわけにいかないから、電車や飛行機を使うのですが、そんなときにお世話になるのが空弁や駅弁です。イカめし、サバ寿司、穴子飯などなど、各地の海のそばで出会うそれらの弁当はいずれも美味にして、ありがたい存在です。

 そんな弁当の中で人気が高いのが、はらこ飯です。はらこ飯とは、サケ(鮭)とイクラを使った東北地方や越後地方の郷土料理。調べてみると宮城県のなかでも南部の亘理わたりに伝わるそれは、サケの煮汁でご飯を炊くため茶色なのだとか。同じ宮城でも北部の気仙沼地方では普通に白米を用いることが多いため白色。わたしたちが、ちょくちょく仙台駅でお世話になるのはご飯が茶色っぽい。おそらく亘理のはらこ飯がベースとなっているのでしょう。

 サケはご存じのように「あきあじ」とも呼ばれ、サンマ(秋刀魚)と並んで秋を代表する味覚です。
 秋を感じたくなって、はらこ飯“風”の丼モノを作ろうと、新鮮な筋子を手に入れ、せっせとイクラづくりに励みます。手間はかかりますが、筋子から美しい朱色に光るイクラをつくるのは楽しいし、何よりも達成感といいましょうか、自作ならではの満足感に浸ることができます。そして安上がりです。

 鮭を煮てその残った煮汁を混ぜてご飯を炊きます。手作りの丼物の醍醐味は、好きな素材を好きなだけ盛りつけできるところ。もったいぶらず、鮭はほぐさずに、イクラは好きなだけたっぷりと。豪快です。そして食べるのがもったいなくなるほどの美しい出来映えにうっとり。最高の秋を迎えることができました。

「鮭とイクラ丼(はらこめし風)」

■材料(4人分)
生サケ4切れ、生スジコ 1腹(いくら醤油漬けでも可)、米3カップ、醤油、酒、みりん適宜

■作り方
1)米は研いでざるにあげておく
2)生サケは水カップ1、醤油大さじ4、酒大さじ2、みりん大さじ2をあわせた煮汁で煮る
3)生スジコはボールに網を乗せ擦るようにしてほぐし、塩大さじ1を入れた60℃ほどの湯に入れて洗い、ザルにとる。塩大さじ1を振り掛け泡がでて来るまでゆすり、水を流しながらよく洗う。 醤油大さじ2、酒大さじ1、みりん大さじ1を合わせた汁に漬けておく
4)サケの煮汁を大さじ3~4杯、好みで加え、水3カップを入れ米を炊く
5)炊きあがった米を丼に盛り、サケをのせ、3で作ったイクラをたっぷりと添える。好みで刻み海苔などを添える

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