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家族への愛にあふれた、海辺の日常 「海べのあさ」 【キャビンの棚】

 おだやかな海辺の小島に住む、ある家族の、ささやかで美しい日常を描いた「海べのあさ」。アメリカを代表する絵本作家、ロバート・マックロスキーについては「すばらしいとき」でもご紹介しました。

 「海べのあさ」は、同じくマックロスキーの代表作の一つで、「すばらしいとき」と同じく、米国メイン州のペノブスコット湾が舞台です。そして、マックロスキーの、娘の健やかな成長への願いが、美しい自然の中の、素朴なソルトライフとともに描写されています。

 たとえば、妻の得意料理、クラムチャウダー(石井桃子さんの訳では“はまぐりのスープ”)の材料を調達するために、家のそばの海岸で貝を掘る。日常生活の雑貨を購入するために、かっこいい船外機の着いた小舟に娘を乗せて町まで出かける。そして調子の悪くなったエンジンを機械屋さんの町工場でみてもらう……など。

 「すばらしいとき」と共通しているのは、メイン州の自然に対する作者の優しさと、家族への深い愛。
 ボートやヨットを通して海に出るとき、我々はすばらしい体験を得ることになるわけですが、彼の絵本を読むたびに募るのは、それらをもっとも愛する人と共有したいという思い。そして、ボートがいつも側にある生活への憧れです。

「海べのあさ」
文と絵/ロバート・マックロスキー
訳/石井桃子
発行/岩波書店
定価:1,870円 (税込)

※この記事は過去の「Salty Life」の記事に加筆・修正して掲載しています。


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