大航海時代に玄米の美味さを知っておれば 【船厨- レシピ】
中世の大航海時代、船乗りたちに恐れられていた病気のひとつに「脚気」がありました。脚気がビタミン不足が理由のひとつであることは今では常識ですが、その理由が解明されるまでには相当の時間が必要だったようです。
日本では江戸時代に脚気が流行したことがあります。理由は江戸っ子が玄米でなく白米、いわゆる銀シャリを好んで食べるようになったからだとされています。
玄米とは、米を精白する前の状態の米のこと。白米よりビタミン・ミネラル・食物繊維を豊富に含むため、最近では健康食品として、白米に混ぜて炊いたりするなど、それなりに人気があります。
でも、玄米は普通の米とは異なり、充分に水分に浸すなどして炊かないとどうしても堅くなってしまい、「お世辞にも美味いとはいえない」なんて、そんな人もいることでしょう。
この玄米にぴったりの料理法を見つけました。みんなの好物のパエリアです。もともとヨーロッパでは、米は主食ではなく、「野菜」として利用すると聞いたことがあります。普段の炊飯に比べてそれほど気を遣わなくていいのです。パエリアは米に少しぐらい芯が残っていた方がうまいと感じる向きも多いのでは。その点、最初から堅めで歯ごたえのある玄米は、パエリアの材料に最適かもしれません。
調理は貝、烏賊、海老など好みのシーフードを選んで。お持ちの方が少ないかなと思ってパエリアパンは使わずに鋳鉄のスキレットを使いました。海辺などで仲間とテーブルを囲むなど、野外料理にもぴったりのメニューのような気がします。
ところで、よく思うのですが、ヘルシーな素材を使った料理だからといって、食べ過ぎては健康もへったくれもありません。とにかくこのパエリア、とても美味しいですから食べ過ぎにご注意を。ま、たまにはいいか。