来る朝ごとの論争とシラスチーズトースト 【レシピ- 船厨】
「よくもまあ朝からそんなに食べられるね」
これまで朝飯のたびに拙子がよく投げかけられてきた台詞です。よく言われるということは、よその人は朝飯をそんなに食べないってことなのでしょうか。
でもちょっと待ってください。例えば、朝の7時に朝食をとったとします。そして5時間後の正午に昼食をとります。さらに7時間後の19時に夕食をとります。そして朝食は再び7時。そうなんです。12時間後です。
朝食とは、三度の飯の中でも前回の食事から最も時間が経ってからの食事なのです。といったってそれまで寝てただけだろう——、そう言われるかもしれませんが、それでも朝はいちばん空腹を感じる刻なんです。
それに、これから1日の活動を開始する上で、もっともエネルギーを必要とする食事です。この時間にしっかり栄養を蓄えることは人間の行動様式の点でも理にかなっているような気がします。
以上は筆者の思い込み、戯言が多分に含まれているので、真に受けないでいただきたいのですが。
さて、今朝は“シラスチーズトースト”を作って食べました。これまた「朝っぱらからチーズトーストですか」などと言われそうです。でも、それならば、チーズトーストはいつ食べるものなのでしょうか。
考えてもみてください。写真にあるのは食パン、チーズ、釜揚げしらす、レタス、ミニトマト、ゆで卵。組み合わせはともかく、いずれもホテルの朝食ビュッフェによく並んでいる“定番”です。それほど「重たい」食事とも思えません。
話をシラスチーズトーストに戻します。
拙子の場合、シラスをパンに載せるという発想はけっこう最近(といってもかれこれ9年近く前)に得たもので、映画「海街diary」(是枝裕和監督)に出てきたときから気になっていたのでした。
これを再現するにあたり(といってもたいした手間はかかりません)、頭を使ったのは最初にパンに塗るソース(下地?)です。最初はマヨネーズとケチャップを2:1で混ぜ合わせてパンに塗りました。でもその味が強すぎて、せっかくのシラスの味があまりしません。
次にバターだけ。うん、この方がいい感じです。
と、そのとき、傍らにいた家人が「私、オリーブオイルでやってみよ!」とナイスアイデアを口にしました。どれどれと、拙子も試してみました。
口に近づけるとシラスの香りがいい感じで鼻腔をくすぐります。
「お、イケるぞこれ。サイコーかも!」
というわけで、ここに掲載するレシピにたどり着くまでに、5枚切り食パン3枚、そしてチーズ、シラス、ゆで卵。オレンジジュースにコーヒーを平らげました。
食べ過ぎです。「まったく朝からよくそんなに食えるな」と、重たい腹をさすりながら呆れた次第です。