天日干しか、機械干しか。干物の味の出来はどちらが上? 【レシピ- 船厨】
魚介は養殖物よりも、どちらかというと天然物がもてはやされることが多いようですね。確かに自然が育んだ天然物の魚は美味いものですが、養殖家が愛情を込めて育てた魚介は、天然物に負けてはいないはずです。考えてみれば牛や豚だって、そこいらを走り回っている野生のものより牧畜されたものの方が美味いことの方が多いですものね。
干物についても同じようなことがいえると思うんですよ。一般に、干物は天日干しが美味いと良くいわれますが、製造過程において、気ままなお天道様に丸投げするよりも、人工的に徹底管理して干された機械干しの方が美味しくできるんじゃないかって話です。
美味い干物を決定づけるのは、大元の原料となる魚です。それが第一条件です。さらには塩加減、そして干し加減。その干し加減において、天日干しの場合、太陽の加減、風の加減は人間が調節できる物ではないし、それらを考えて干物をつくる職人などそういるものではありません。天日干しで安定した味の干物を作り、それを消費者の元に一定数を届けるのは至難の業に違いないと想像できるのではないでしょうか。もちろん、数年に一度しかできない「天日干しの最高傑作」、といった“幻” 的な干物も無いことは無いかもしれませんけれど。
アジ(鯵)が名物の海辺の町で、干物をたくさん手に入れました。百貨店にも入っているような有名店の干物です。もちろん機械干しです。これが美味いのなんの。厳選された素材を使い、研究し尽くされた機械干しはやはり間違いがありません。
たくさんあったので、そのまま焼いたほか、料理研究家のレシピを元にスパゲティの具に使ってみました。和風? 中華風?美味しければどちらでもいいか。ん? それは天日干しか機械干しか? も同じですかね。