なぜ海流が発生するのか、なんて考えたことありますか? 【海の博物誌】
海流——。海の水はなぜ流れるのか。とてもミステリアスでロマンチックなテーマであるにも関わらず、興味を持つ人はめったにいません。
それもそのはず、海流の研究が始まってからわずか120年ほど、人工衛星とコンピュータのおかげで世界の海のデータを集め、シミュレーションができるようになったのは、ほんの十数年前の話なのです。
こんな具合なので、海流の仕組みについても不明なところが多く、細かな点は判明次第書き換えられているようですが、海流の発生する原因はおおまかに次の5つと考えられています。
1)風
2)海面の傾斜
3)海水の密度の差
4)気圧の差
5)海水が他に流れた後を補うために起きる
この中でもっとも強く働くのは風です。なかでも赤道を中心として南北にある貿易風と偏西風の影響が強いのです。
その風が起きるのは、地球の大気の暖まり方に差があるため。地球が丸いので、赤道近くでは太陽の熱を強く受けて気温が上がり、極近くでは逆になります。そこで風は極から赤道に向かって吹き出します(地球の自転の影響を受け向きが捻れる)。その風が海の水を押して海流を生むのです。つまり、海の水が流れるのは、地球が丸いからということになります。
デジタル全盛の時代ですが、誰か知らない人に当てて小瓶に手紙をしたためてみましょうか。いったい丸い地球のどこに届くでしょうか。