タコよ、アボカドよ、君たちは最高! かもしれない。 【レシピ- 船厨】
タコの素晴らしさについては、ことあるごとに触れてきました。思えば、本マガジン「船厨」の記事で初めて取り上げたのが「タコ飯」で、タコ好きの方々からたくさんの「スキ」を頂戴したのでした。編集部一同、たいそう嬉しくて、みんなでタコ躍りしたことが、昨日のことのように思い出されます。これは嘘です。
繰り返しますが、タコは美味い。タコは素晴らしい。昔は「外国人はタコを食べない。なぜなら、タコは悪魔の化身だから」という、まことしやかな言説を信じていたものですが、実際には一部の国を除く、世界中の国々でタコは愛されていることを大人になってから知りました。地中海なんてタコ料理がたくさんあります。もちろん宗教上の理由でタコやイカといった鱗のない海洋生物を忌避する人々もいます(それは尊重されるべきことであります)。
一方のアボカド。これは果物です。でも、お気に入りの素晴らしい海がある、メキシコが原産の果物なのです。熟れたアボカドを見ると、カボサンルーカスやアカプルコやカンクンなんていう陽気な海や街並みを連想してしまう。海の仲間に認定です。巷にある数々のトロピカルフルーツに負けていないのです。
果物のくせに、果物のようでない、なんだかよくわからない立ち位置がまたキュートです。そのくせ栄養価が高い。「森のバター」なんていわれるほどです。そして果物らしくない、癖のない味が、海の幸ともよく合うのです。奇跡を生み出すのです。
タコとアボカド。素晴らしいマッチングです。写真は「タコとアボカドの香酢和え」です。モーリタニア産のマダコとメキシコ産のアボカドを中華風に仕上げました。パクチーを使うことで、ますますワールドワイドな感が増します。いい感じです。残念ながら、ご飯にはいまひとつ合いません。
なお、アボカドと海の幸のマッチングという点において、もうひとつ、タコ以上の奇跡ともいえる組み合わせを私たちは知っています。それについては、近いうちに、ここでご紹介したいと思います。