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優雅なウインドラス。 【海の道具】

 ウインドラス(windlass)とは、船舶用語で揚錨機ようびょうきを指す言葉です、と一般的には説明されています。揚錨機とはまた、古風なイメージの機械名ですが、なんとなく重々しくて、大航海時代なんかを想像してしまいそうです。
 つまりはアンカーウインチなのだけれど、ウインドラスとアンカーウインチは、筆者の中では厳然とした線引きがあります。根拠薄弱な線引きですが、ロープを巻き上げるのがウインチで、チェーンを巻き上げるのがウインドラス、と解釈しています。
 ウインチというと、ワイヤーロープを使った太鼓型の巻き上げ機でワイルドな4輪駆動車のバンパーなどに取り付けられていて、倒木などにロープを巻き付けてそれらを取り除き、走破していく場面を思い浮かべてしまいます。
 一方ウインドラスはクルーザーのバウデッキに埋め込まれていて、きれいな砂浜の沖に停泊しているボートがスマートにステンレス製のアンカーチェーンを巻き上げている風景が目に浮かぶのです。
 ウインドラスは優雅なイメージでウインチは力強いといったところなのですが、実情はそうでもありません。数十メートルのチェーンを巻き上げるウインドラスのモーター出力の多くは500W以上で、レジャーボート用の中には1500Wのハイパワーなものもあるのです。一方ウインチはせいぜい200Wくらいでしょうか。
 ここで問題です。ウインドラスやウインチを使う上で、注意が必要なのは巻き上げる時か、降ろすときか。
 答えは降ろすとき。
 なぜなら、降ろすときのほうが、手が巻き込まれるリスクが高いから。引き上げる時にロープやチェーンを持つ時があってもたいてい機械から手前側に引くので手が巻き込まれることは少ないのです。一方、降ろす時には手で持った方向が機械に近づいていくから細心の注意が必要です。覚えておいて損のない情報です。

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