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海と釣りの魅力は人から人へ、親から子へ。 【社員紹介- 私が海を愛する理由】

 「きた!」
 魚のアタリがあったようです。ルアーをキャストしだしてから30分ほど経っていたでしょうか。ロッドとリールを操りながら丁寧に魚を寄せてくると、元気なイナダの姿が見えました。浜名湖にも外海から青物が入ってくるのですね。
 そういえば、マリーナでタモ網を借りつもりだったのに、すっかり忘れて出港してしまいました。仕方が無いのでイナダは海から引っこ抜いてキャッチ。
 「短い時間でしたが、取材で釣れたので良かったです」
 きれいな魚体を手に、和田源太さんはとても満足そうです。

 SPV事業部e-Kitビジネス部に所属する和田源太さんは釣りが大好き。
 この日は最初、シーバスを釣るつもりでポイントに到着しました。

思いがけずに釣れたイナダ。「何が釣れるかわからないところも釣りの魅力」と和田さん

 「最初はグリーン系のルアーを使って始めました。途中で水の濁りを意識して目立つゴールド系のルアーに変え、着底させてリフト&フォール(ルアーのアクションの一つ)させながら狙っていましたが、なかなか反応が無かった。周りを見渡していると遠目で水面がモヤモヤし出して、少し小魚が跳びはねているのが見えました。表層に餌を求めて魚が集まっているのだろうとイメージして、そこからやり方を変えました。遠目にキャストするようにし、着水と同時に早めにリールを巻いて表層にルアーを通すイメージ」

ロッドとリールで水中のルアーに動きを付ける

 海の状況を見ながら思考を巡らせ、手を変え品を変え、その過程の中でイメージ通りの結果を出す。それこそが和田さんが釣りに魅力を感じる理由なのです。
 「きょうはイナダが釣れると思っていませんでした。何が釣れるかわからないところも楽しいですね」(和田さん)

状況に応じてルアーをチェンジ

 和田さんには「師匠」と崇め、慕う釣り仲間が居ます。その人との出逢いは和田さんの釣りのスタイルに大いに影響を及ぼしました。

 「初めてお会いしたのは町内の年末年始の炊き出しでした。豚汁の配膳をしていた方だったんですが、その後で近所の釣具店で偶然に再会しまして。その時にヤマハの方だったと知ったんです。炊き出しの時、極寒なのに半ズボンにダウンジャケットというへんな格好をしていたので、覚えていてくださった」

 和田さんの師匠は同じヤマハ発動機の磐田第2製造部の外波山とばやまさん。浜名湖内のマリーナにボートを所有しており、和田さんを釣りに誘い出してくれました。

 「師匠にボートで連れ出しもらってからは、自分でもボートをレンタルして浜名湖に出て行くようになりましたが、今もボートフィッシングをするうち、その半分は師匠に同行させてもらっています。きょうシーバスを狙ったポイントも、つい先日、一緒にシーバスとヒラメを釣った場所だったんですよ」

取材の数日前の釣果。和田さんが師匠と慕う外波山さん(磐田第2製造部)と

 和田さんは、外波山さんばかりでなく、様々な人との出会いによって、その釣り好きに拍車がかかったようです。ラグビー部(現・静岡ブルーレブズ)で同期だった廣川翔也さんとは今でも都合が合えば釣りに行く仲。今も外洋に出るときは同行しているボートのオーナーさんを紹介してくれたのはヤマハラグビー部時代の先輩、五郎丸歩さん(現・一般社団法人「Future Innovation Lab」代表理事)。特にヤマハのラグビー関係者には釣り好きが多いのでしょうか。

 和田さんの生まれ故郷は大阪です。海に親しんだ最も古い記憶は、家族で出かけた京都の海です。
 「久美浜という丹後の海なんですが、すごくきれいでしたね。ヤスを持って海に潜ったりして遊んでいました。いちど海に入ると戻ってこないって感じで。そして海の近くの釣具店で初心者用の簡単な釣り具セットを買って、サビキ釣りを楽しんだり。それが釣りの原点です」

 その海や釣りの思い出は弟さんとも共有しています。
 「弟はそれからバスフィッシングにハマっていきました。今は栃木の佐野に住んでいるんですが、LINEで連絡を取り合ってよく一緒に釣りにも行きます」
 源太さんの弟、颯太さんはクリケットの日本A代表の強化選手(2024年)です。アスリートにして釣り好き。血は争えないとはこのことでしょうか。

取材当日はヤマハマリーナ浜名湖で〈AX220〉をレンタル。普段は和船で楽しむことが多い

 そしてその「釣り好き、海好き」は源太さんの家族にも伝わっていきます。
 「家族で釣りに行ったり海辺に行ったりするのが好きです。三歳と一歳の男の子がいますが、楽しそうで、特に長男は釣り竿を持たせるととても喜んで遊んでいます。それと息子は深海魚が大好きなんですよ。まだ三歳なのに私の知らない深海魚の写真と名前を覚えているんです。蒲郡にある竹島水族館に遊びに行ったとき、写真を見て深海魚の名前を言い当てるというクイズのイベントがあったんですが、全問正解で。イベントスタッフの方もドン引きしていました。ラブカという深海魚が一番好きなのですが、私が釣りに行くときは“ラブカを釣ってきてね”といつも言われています(笑)」


 自然と海と釣りを愛する気持ちとは、人から人へ、親から子へと伝搬していくのです。

「レンタル利用も含めた年間のボートへの乗船日数を数えると、今は自分で舟を買ってしまった方がいいのでは、と思い始めています。浜名湖で遊ぶなら19フィートとか20フィートぐらいの和船がいいですね」(和田さん)
 今度は和田さんが伝える番です。楽しみは次々と広がっていきます。

(題字:和田源太)


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