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好きなものを好きなだけ 「鮹と海老のかき揚げ天丼」 【船厨- レシピ】

 「江戸三昧」という言葉があります。江戸由来の食べ物で「蕎麦」「寿司」「天麩羅」を指します。いずれも庶民が楽しむ食べ物だったはずですがが、時代とともにそれらの立場は変わっていきます。蕎麦は今でも庶民の食べ物ではありますが、凝りに凝って打った蕎麦は、やはり贅沢な一面があるように思えます。寿司は、回転寿司の登場で大きく環境が変わりました。

 天麩羅はどうでしょう。やはりファーストフード系の天丼家さんなどが登場し、いまでは概して高級とはいえないのかもしれません。
 それでも天麩羅は寿司と同じく、東京では通の大人が専門の店で食べるもの、というイメージがあります。この感覚には世代差があるかもしれませんが、天麩羅屋さんのカウンターで好みの食材をなじみの親方に揚げてもらうスタイルは、一昔前の“若者”にとっては憧れだったんです。

 もともと江戸の庶民の食べ物だった天麩羅が、一時的に高級メニューとなってしまったのには、どうやら致し方ない理由があって、それはある時期に天麩羅に使用するごま油が高騰したせいなのだと聞きました。いまも残る高級な天麩羅屋さんはその名残なのでしょうか。

 さて、「かき揚げ」です。様々な食材をまとめて揚げるスタイルは、“庶民の味方”というイメージがあります。あちこちで、特に港のそばの食堂などで、丼からはみ出るようなかき揚げ丼が人気メニューとして存在していますが、考えてみれば大きさならば自作にかないません。さらに好きな食材でいろいろと試すことができるのも自作ならでは。

 外ではあまりにお目にかかることのない、蛸に海老を少し混ぜたかき揚げをご飯の上に載せてみました。好きなものを好きなだけ。かき揚げの大人食いです。

「蛸と海老のかき揚げ天丼」
■材料
小エビ(殻むき)1パック、タコの足2~3本、玉ねぎ1個、天ぷら粉100g、醤油50cc、みりん100cc、酒50cc、だしの素 小さじ1/2(湯100ccで溶く)、砂糖 大さじ3、サラダ油 適量
■作り方
1)醤油、酒、みりん、だしの素、砂糖を混ぜ、小鍋で少しとろみがつくまで焦がさないように煮詰める
2)エビは水洗いしてキッチンペーパーで水気を取り、軽く天ぷら粉をまぶす
3)タコは1.5㎝位に切り、玉ねぎは薄切りにする
4)ボールに天ぷら粉を水で溶き、2と3の材料を入れて混ぜる
5)天ぷら鍋にサラダ油を入れ、170~180℃に熱し、4をお玉に取り菜箸で押さえながら入れ、エビに火が通ったら取り出して油を切る
6)丼にご飯をよそいタレをかけ、かき揚げを載せてさらにタレを回しかける
サラダ油の代わりにごま油を使うと“江戸風”になりますよ。

※この記事は過去の「Salty Life」の記事に加筆・修正して掲載しています。


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