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がんばる鮭に畏敬の念を抱きつつ、鮭とお焦げご飯のリゾット風。 【船厨- レシピ】

 年末になると鮭ががんばります。鮮魚店などを覗いてみると、立派な新巻鮭が並んでいたり、予約を受け付けていたりもします。この時期、なぜ鮭なのか。素朴な疑問が浮かんでくるところですが、どうやらその理由は「鮭」という名前にあるようで、「災いを“避け”る縁起物」からだということのようです。はい、縁起と言うより、はっきりいってただのダジャレですね。鯛にしても「めでたい」とか、日本人は古来から言葉遊びが好きなんです。ブリを年の初めに好むのも出世魚だからという、言葉遊び、突っ込むとこじつけにほかなりません。

 さて、鮭はもともと川に棲んでいた魚で、氷河期に結氷域が拡大した際に、海に逃れたのだと考えられています。でも産卵については氷河期前から有している機能を変えられずに、今でも海ではそれができません。そのために、生殖・産卵期には再び川を遡上する、というわけです。 そのことを思うと、最後の氷河期から250万年以上が経っているというのに、生物というのは、そう簡単には進化しないのだな、なんて思ったりします。

 鮭の遡上で不思議なのは、そのほとんどが生まれ故郷の“母川ぼせん”に戻ってくるということ。鮭が川のある沿岸部に近づくと、生まれ故郷の川の水のにおいをかぎ分けて、遡上する川を選ぶことはほぼ解明されているそうですが、広い外海からどうやって生まれ故郷の近くまで戻ってくることができるのか。磁気を利用する、太陽によって方角を知る、など諸説あるものの、真相は謎のままなのです。
 人が外で痛飲して、酔っ払い、記憶を失いながらも、朝起きてみたらしっかりと自宅で寝ていたという話はよく聞きますが、同じように酔っ払って、路上で、はたまた電車の駅でねむりこけ、帰り損ねたという人も、ひと昔前まではよくいたものです。鮭に負けてます。

 そんな鮭のエピソードをニヤニヤしながら思い出しながら、お気に入りのイタリアンシェフのレシピを参考にして鮭を料理してみました。冷やご飯をフライパンで固めるようにして軽く焦がし、マヨネーズベースのソースと合わせるといった、とても簡単なものなんですが、「いやあ、やはり鮭には米ですな」なんて納得してしまいました。我ながら、とても美味いです。

 もちろん、ワインに合います。ビールもいいですね。日本酒だって合っちゃうかも。でも飲酒はほどほどに。繰り返しますが、人は鮭ほどの回帰本能を有していませんよ。

鮭とお焦げご飯のリゾット風

■材料
生鮭2切、冷やご飯 茶碗2杯ほど、バター10g、粉チーズ適宜、塩適宜、オリーブオイル適宜、キュウリのピクルス小1本、ディル(またはイタリアンパセリ)適宜、マヨネーズ大さじ3、プレーンヨーグルト大さじ2
■作り方
1)温めたスキレットにオリーブオイルを薄くひき、塩を振った鮭を皮を下にして中火でカリッと焼く。裏に返し、焦げないように中弱火で中まで火を通して取り出しておく
2)温めたスキレットにオリーブオイルを薄くひきバターを加えて溶かし、冷やご飯を入れて、中火で炒めて塩で味を整え、粉チーズを加えさらに炒め合わせる。
3)2を丸く集め、フライ返しを使い軽く押さえながら中弱火できつね色になるまで焼き付ける。裏に返し両面を焼く
4)ソースを作る。マヨネーズ、ヨーグルト、みじん切りにしたピクルスとディルをよく混ぜ合わせる。ディルはパセリの代用でもOK
5)3を皿に盛り、1の鮭を乗せソースをかけ、ディルを飾る

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