見出し画像

宙を飛ぶ魚が美味しい季節です。 【レシピ- 船厨】

 そらを飛ぶ魚がいます。そう、トビウオです。独特の形をした尾ビレで勢いをつけ、胸ビレを広げて飛行機のように水面を低く滑空します。なんと100メートル近く飛ぶものもいます。

 この魚が空を飛ぶシーンは、ふだん、ヨットやボートに乗って外洋で遊んでいる人にとってはそれほど珍しい光景ではありません。ボートの横からいきなり姿を現したと思うと、けっこうな距離を飛んでいくものだから、ついつい歓声を上げつつ見とれてしまいます。静かにナイトクルーズを楽しんでいるとデッキにいきなりトビウオが飛び込んできて驚かせることもあります。何事かと肝を抜かし、ちょっとしたパニックになるものです。

 そんなトビウオの旬はやはり夏。鳥取県ではトビウオ漁が盛んです。トビウオは県の魚で「あご」と呼ばれています。この時期は、自分たちの漁を休んで、組合の船に乗り込んでトビウオ漁に参加する漁師さんも多いのです。漁師さんだけでなく、観光客も「あごすくい」が体験できます。もちろん飛んでいるトビウオを捕まえるのではなく、夜間に灯りを焚いて、集まってきたトビウオを網で掬います。

 さて、トビウオは刺身などスーパーでも気軽に手に入れることができますが、トビウオの味わいを楽しむのに塩焼きは外せない調理法。いわゆる“青もの”に分類されるのでしょうが、風味はイワシやアジやサバとは少し違います。焼いた時の香り、そして味は、海辺の定食屋などで体験できる「あの感じ」です。
 ちょっともったいぶった言い回しだけれど、「あの感じ」でピンとくる方は割と多いのではないかと想像します。がいかがでしょう。

「トビウオの塩焼き」

■材料
トビウオ(人数分)、粗塩(適宜)、大根(適宜)
■作り方
1)トビウオのウロコを包丁の背などで取り除き、洗う。はらわたが苦手な人は取り除く
2)多めの塩をまんべんなく振りかける。焦げやすい胸ビレには特に多めに
3)焦げすぎないよう遠火で焼くか、グリルの場合は弱めの火でじっくりと両面を焼き上げる
4)皿に盛りつけ、大根おろしを添えて、でき上がり

いい記事だと思ったら、ハートマークを押して「スキ」してくれると嬉しいです。 「スキ」すると、季節のお魚イラストが釣れるかも。今日は何の魚かな?