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名も無き逸品「シャックル」 【海の道具】

 見たことはあるけど名前は知らない。そんなアイテムは巷に数ありますが、シャックルもそんなものの一つでしょう。

 U字型をした鋳物やステンレスで作られたのが本体で、U字の開いている部分の左右にネジ山を切り、本体同様の素材で造られたネジを締め込んで塞ぐ。用途としては、チェーンや、スプライス加工したロープなどを繋ぎ止めるのに使います。

 日常生活で目にするとしたら、駐車場などでチェーンの固定に使われているところでしょうか。ボートではアンカーとアンカーチェーンを繋ぎ止めるのに用いられていますね。

 シャックルのネジは特殊な形をしていて、ネジ山は、両端にだけ切られていて、真ん中はネジ穴よりもわずかに細い棒状になっています。そして片方は平べったくなっていて、丸い穴が開いています。平べったくなっているのは、指でつまんでネジを回せるようにするため。そして丸い穴は、そこに棒を差し込んで更にきつくネジを締めるためにあります。もちろん塩噛みして固着してしまったネジを回すときにも有効です。

シャックルとシャックルキー

 セールボート(ヨット)ではいたるところでシャックルを使っているので、セーラーたちはシャックルキーというステンレスの鉄板をカッティングした、シャックルを手早く開け閉めするツールを身に着けていたります。

 比較的簡単にチェーンなどを固定でき、外れにくく、なおかつ外す気になれば外し易い…そんな相反した機能を実にシンプルに達成しているシャックル、ぜひこの機会に名前を憶えてあげてください。

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