辛子明太子は“ただの惣菜やけん”。 【船厨- レシピ】
福岡・博多の名物「辛子明太子」の老舗の創業者を主人公としたテレビドラマを見る機会がありました。となれば、無性に辛子明太子が食べたくなるのが人情というもの。いても立ってもいられなくなり、ドラマを見たその日のうちに老舗の「辛子明太子」を買い求めました。
現在、普及している「辛子明太子」は、その創業者氏が生まれ育った韓国・釜山の「明卵漬」(みょんらんじょ)の味を再現しようと生まれた惣菜です。材料はスケソウダラの卵巣で、ご存じのように、これをタレと唐辛子につけ込んで作ります。
ドラマでは、釜山での記憶を頼りにそれを再現しようと悪戦苦闘した創業者氏の奮闘がコメディタッチで描かれていますが、原料へのこだわりや、ものづくりへの情熱、さらには、苦労して編み出した製法を隠さず、同業者に伝えていった結果、博多の名物として定着していったことを知り、創業者氏に対する、というよりも「辛子明太子」への尊敬がますます高まるのです。
老舗から買い求めた「辛子明太子」は、たらこの舌触りがしっかりしていて流石に旨い(という気がします)。
とはいえ、ドラマの中で主人公が何度も言葉にしているように「めんたいはただの惣菜やけん」。
気軽に手に入れて、気軽に熱々ご飯に載せて、気軽にハフハフといただきたいものです。
※この記事は過去の「Salty Life」の記事に加筆・修正して掲載しています。