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なかなか伝わらない贅沢品「デッキテーブル」 【海の道具】

 ほとんどのボートのアフトデッキには、テーブルのようなものはありません。あれば、ランチで使う小物やフィッシングで仕掛けを作ったりするのに便利だろうと思うのですが。
 でも、デッキの床面はただ単に平べったいように見えて、よくよく見ればエンジンルーム、イケスや物入れ、バッテリー収納スペースなど、それらの蓋(ハッチ)で埋め尽くされていたりするのです。それならば、据え置きのテーブルでも置けばいいのかっていうとそうもいきません。なにせボートは波で始終縦揺れ横揺れを繰り返しているのだから、しっかり固定しておかないとすぐどこかに飛んでいってしまいます。

 そこで登場するのが、1本足の固定式テーブルです。固定式といっても、実は受けがデッキに埋め込まれていて、そこに支柱を差し込むようになっています。なので、邪魔になるときは、支柱ごと外すことができるのです。
 ただしこの支柱、相当に頑丈じゃないと困ります。なぜなら、不意に横波などを食らった時、デッキにいる人が瞬間的に掴んだりするから。人間が上部を掴んだまま横に振られても大丈夫なものとなると、簡単なパイプで賄うわけにはいきません。

 そこで考え付いたのが、ボートチェアに使われている支柱です。これなら、人間が椅子に載って揺られても大丈夫なほど頑丈に作られているし、その実績も実証済みです。
 テーブルの上面の方も、FRPで成形された頑強なものが好ましいですね。いくら支柱が丈夫でも上面がもげてしまっては元も子もないから。

 何てことなさそうなテーブル一つでもすぐ数万円もしてしまうのは、実は安全を担保するために過剰なまでに丈夫さを追求してしまうからなのですが、何かあっても陸上のようにすぐに助けを呼べない海上を想定すればやむを得ませんね。
 その高めの価格も、目に見えない贅沢をしているのだと、ご納得いただけるでしょうか。

ヤマハボート


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