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航海に欠かせない水路図誌 【海の博物誌】

 船舶が航海や停泊するためになくてはならない物の一つに、「水路図誌」があります。いわば、陸上における交通案内マップと同じ物で、この「水路図誌」は「海図」と「水路書誌」に大きく分けられ、これらは国土交通省の外局の海上保安水路部で刊行されています。

 海図を一言で言うなら、海の案内図。航海者には必要不可欠の道標みちしるべであり、使用目的により種々に分類され、一般に航海用に使用される図:狭義の海図(Nautical Charts)と航海参考用に使用される図(Miscellaneous Charts)とに分けられます。

 一方、水路書誌には水路誌(Sailing Directions)と水路特殊書誌(Special Publications)に分けられ、水路誌は海上の諸現象、航路、港湾、漁港、泊地、沿岸の状況等の詳細な記述からなっており、水路特殊書誌は航路誌、灯台表、距離表、ロラン・テーブル、天測歴、潮汐表、水路要報等からなっています。

 潮気に充ち満ちていた一昔前のヨットやボートには、海図や水路誌、灯台表、潮汐表ぐらいは当たり前のように積んであった物だが、最近はどうでしょう。高性能で小型のGPS が普及し、チャートさえ不要だとする向きもありますが、やはり、せめて、チャートぐらいは揃え、シーマンとして読みこなしたいものです。


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