レスキューリング。ボートでも使えたらいいのにな。 【海の道具】
レスキュースリングは和訳すると「救助用吊りベルト」のことで、つまりは、船外に落ちた人を吊り上げて船内に救助するためのもの。
構造は単純で、浮力のある緩衝材を丈夫な布地で巻き、これを“コ”の字型に繋ぎ合わせ、両端にロープを付けたものです。
水害時に、屋根に取り残された人を、ヘリコプターで吊り上げて救助する際、救助される人の脇から背中に回して使っているのを目にしたことはありませんか?
マリンでは主にヨットで使うのですが、素晴らしいのは、ブーム(セールの下部を支える棒材)を活用できることです。
先ずは落水者に向けて、浮力体の入った本体を投げます。気を失っているとか、子どもの場合は、ライフジャケットを身につけた救助者が浮力体を持って落水者に向かい浮力体を装着し、船縁まで引っ張り寄せる。そうしておいて、ロープをブームに付いている滑車などに潜らせ、ウインチなどを使って吊り上げた後に船内に救助者を確保するわけです。
水をたっぷり吸った服を着た大の大人を水面からボートに取り込むのは想像以上に容易ではありません。ここはヨットに取り付けられた機器類を最大限活かして救助にあたりたいところ。
残念ながらこのレスキュースリング、ヨットでしか使わないのですが、何とかボートで使えるようにならないものでしょうか。要は人を吊り上げるだけの強度を持ったアームがあればいいだけなのですが、これがなかなか難しいんです。でも、これといった機構ができたら、人を吊り上げるだけじゃなく、あの異様に重たいマリンバッテリーや大型のクーラーボックスの揚げ降ろしにだって使えるはずです。
レスキューのためだといっても自信家のボートオーナーたちはこの道具への投資を渋るかもしれません。それなら、こういう謳い文句ならどうでしょう? カジキやクエなどの大物を取り込むのにも使えます!