「覆水盆に返らず」といいますが。 【海の道具】
チューブに空気を入れて使用するボートをインフレータブルボートといいますが、一般的にはゴムボートと呼ばれることが多いです。
ゴムだチューブだというと華奢なイメージですが、実物は何層にも化学繊維を貼り合わせてあって、かなり硬いのです。とはいえ、空気を抜けば折り畳むくらいはできます。
インフレータブルボートの長所としては、普段はコンパクトに収納できる事、水面へのエントリーが楽な事などが挙げられます。それらは手軽にボートを楽しむ場合にとても有効なのです。
インフレータブルボートに限らず、3m未満で2馬力もしくは1.5kW未満の動力搭載ならば船舶免許が要らないので、おのずと日本での主流は全長3m未満の製品となります。
いいことづくめのインフレータブルボートですが、少々ご注意申し上げたいことも。
空気を丈夫なチューブに入れているので沈没の恐れはなさそうですが、転覆はします。そして、一旦海に落ちると、ボートに上るのが困難なことがあるのです。
人間、海に浸かると首の上くらいしか出なません。その状態から濡れた服を着たままボートの縁にしがみついて体を持ち上げるのは至難の業です。下手をすれば、ボートに乗り掛かったところで、今度はボートがひっくり返ったりもします。
誰も好きこのんで海に落ちる人はいないとおもいますが、とにかくインフレータブルボートに乗ってる時は立ち上がらない、身を乗り出さない、片舷に偏って乗らないなど、転覆・転落に細心の注意をしてください。
覆水盆に返らず、もとい、覆人ボートに返らずですよ、ホント。