マリン用品といったら海水対策、と言えるくらい、海で使う道具に塩水は鬼門です。錆びさせてみたり、そうかと思えば固着させたりもします。一度そうなるとなかなか厄介です。厄介だけど放っておけば、必ず塩は付着します。

　それらを防御するために防錆潤滑剤というケミカル剤が活躍するわけですが、マリン用品としての専用防錆潤滑剤は一般用と違って多機能性を持っています。
　先ずは当然ながら、防錆効果が強化されています。これはもう最低限必須機能ですが、海水に晒され、四六時中潮風が吹き付ける場所で使われることを考えれば、むべなるかな。

　次が浸透性。塩で固着したネジなどを取るためには、金属と金属の間を素早く且つしっかりと浸透しなければなりません。そのための機能です。
　それから、これはあまり知られてない機能かもしれませんが、水置換性という機能です。防錆剤が付着してしまった海水の下に潜り込んで防水塗膜を形成してくれるのです。つまり、濡れた状態でも使えて、防湿剤としても使えるわけ。この機能は、例えば一日楽しんだウェーブランナー（水上オートバイ）を片付ける時、エンジンをはじめとする金属部分にマリン防錆剤を吹きかけておけば、次に使う時まで湿気も錆もシャットアウトしてくれるということ。便利ですね。勿論潤滑剤としても十分機能するのは言うまでもありません。

　こんなマルチプレーヤーのマリン用防錆潤滑剤、ボートだけに使っておく手はないと、マリーナや漁師さんはじめ、沿岸地域に住んでいるユーザーが自宅屋外用に使っているのも納得がいきます。

　潮風は磯の匂いや海の気を伝えてくれる沿岸の風物詩だけれど、住んでいるほうにしてみれば、塩気を運ぶ厄介者でもあります。妙に錆が発生しやすい場所にはマリン用防錆潤滑剤を試してみる価値があるかも。