時代小説にでてくる美味しそうなご飯を試してみました 「鰹のそぼろ」 【船厨- レシピ】
時代小説の楽しみの一つに、当時、暮らしていた人々の「食」を垣間見られることが上げられます。池波正太郎の小説などはその最たるもので、はじめて「仕掛け人・藤枝梅安」を手に取ったとき、その都度登場する、決して豪華ではないけれど魅力的な料理に引き込まれ、付箋を張りまくったりしていました。これって、いつか本にできるのではないか、なあんてことを考えていたのです。ところが、拙子が思いつく程度のことはとっくに企画され、形になっており、なにより池波正太郎自身が「藤枝梅安」「剣客商売」「鬼平犯科帳」といった代表作に出てくる料理をまとめており、それぞれ「梅安料理ごよみ」「剣客商売包丁ごよみ」「鬼平料理帳」と、さりげなく洒落の効いたタイトルで出版されています。
今回ご紹介する「鰹のそぼろ」は、池波正太郎ではないけれど、髙田郁の「みをつくし料理長」という小説を原作としたテレビドラマを見ながら無性に食べたくなったものの一つです。
その回は、猫またぎと呼ばれて見向きもされなかった鰹を主人公の女性がそぼろにして出したところ、人気メニューになってしまうというお話しでした。これに出てくる「上り鰹」、「猫またぎ」や「戻り鰹」については、以前、「鰹のたたき」をご紹介したときに触れていますので、詳しくは省きますが、今回は「猫またぎ」ではなく、「上り鰹」でそぼろをつくりました。レシピはなるべく簡単なものを選んでアレンジしています。
鰹のそぼろは、何度か試したことがあるのですが、今回、初めて白ごまを使ってみたところ、味も食感も劇的に変わることに気がつきました。
お弁当に最適です。おにぎりの具にも使えそう。クルージングやボートフィッシングのお供にするのも良さそうです。もちろん作り置きもできますので、日々の食卓にもいけます。ぜひお試しあれ。