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魚に優しく、イケスの機能を高める「マルチブリザーパイプ」 【海の道具】

 イケスというと、料亭の水槽を思い浮かべる、というのはなかなかの食いしん坊か呑兵衛な方ですね。でも、ボートフィッシングファンならば、デッキの蓋を開けると、船底から海水の取り込み口がついているボックス型のスペースを真っ先に思い浮かべるはずです。
 初めてこのスペースを見たときは正直いって驚きました。「船底に穴が開いてる! 欠陥じゃないか、この船」と。 もちろん今では、水は喫水線までしかあがってこない事を知っています。

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 では、その船底の穴を開いたままにして高速で航行するとどうなるか、ご存知でしょうか。 

 通常、穴は3個付いていて、2個の穴から注水し、1個の穴から排水されて、イケスの中の水が常に新鮮な海水となるように造られています。ところが3個とも開けたまま、高速で航行すると、ボックスに溜まった水は負圧により、どんどん排水されて空っぽになってしまいます。
 せっかく魚をイケスに入れて持ち帰り、新鮮な刺身を期待していたのに、魚たちは水のない船底にぺったんこに張り付いて死んでしまう、ということに。
 そうならないためには、航行時にはイケスの穴の蓋を閉めればよいのだけれど、これがまたちょっと難儀な作業だ。揺れるデッキに這いつくばり、水の中に手を突っ込んで船底に蓋をしなければならないのだから。

 当然ながら、困ったところに道具有りで、塩ビ管の先に、船底の蓋を取り付けたようなパーツが用意されている。その名も「マルチブリザーパイプ」。しかもそのパーツ、注水量や排水量も調整できるという優れものなのです。 

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 魚にも自分にも優しいイケスの道具、困った経験のあるボートオーナーさんにオススメです。



※この記事は過去の「Salty Life」の記事に加筆・修正して掲載しています。

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