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人生に喜びをもたらす場所は海にあった【社員紹介-私が海を愛する理由】 

オートバイメーカーとして広く知られる私たちヤマハ発動機は、ボート、水上オートバイ、船外機(ボートの外付けエンジン)といった「海」に関する製品もつくっています。そして、その製品を開発し、製造し、お客様にお届けする社員には、海を愛してやまないメンバーが沢山います。
 「私が海を愛する理由」は、そんな彼らに、海をスキになったきっかけ、海での思い出、おすすめの楽しみ方、こだわりなど、”海への愛”をとことん語ってもらうシリーズです。社員一人ひとりの想いにのせて、みなさんとも海のすばらしさを共有できますように。

 「瀬戸内しまなみ海道」の愛称で知られる「西瀬戸自動車道」は、本州にある広島県尾道市から、四国の愛媛県今治市までを繋ぐ自動車道。全長は59.4km。途中には、向島むかいしま因島いんのしま生口島いくちじま大三島おおみしま伯方島はかたじまなど8つの島が浮かび、それらの美しい島々の間には大小合わせ計10基の橋がかけられています。自動車道であるものの、実は側道があって、徒歩や自転車、そしてバイク(排気量125cc以下の原動付き自転車)でも風光明媚な瀬戸内の景観を楽しみながら海を渡ることができるのです。
 この素晴らしい景観の中を、尾宮おのみや真有まゆさんはこれまでに二度、バイクで走ったことがあります。一度目は職場の同期の仲間と。そして二度目は夫と父親と。

バイクで駆け抜けた海に架かるバージンロード

 「バイクが好きで、よくツーリングに出かけます。実を言うと、どちらかというと海というより山の中を走ることの方が多いんです」という尾宮さんですが、しまなみ海道は特別です。
 「初めてしまなみ海道を走ったのは3年前の夏でした。尾道までクルマで行って、そこで125ccや50ccのバイクをレンタルして島を巡りました。しまなみ海道は、クルマや大きなバイクだと高速道路を走ることになるんですが、自転車や原付だと、道の構造上、すべての島で一度“強制的”に橋から島へ降ろされることになるんです。それがいいところですね」

 他の乗り物のような点から点への移動ではなく、楽しさがいつまでも継続する感覚。道中の記憶がすべて残る。そのことは、尾宮さんがバイクに乗り始める前、阿蘇(熊本県)に旅したときにたまたま出会った、あるライダーに教えてもらったバイクの魅力のひとつでしたが、しまなみ海道ツーリングではまさしく、そんな魅力を大いに享受することになりました。
 「橋を渡るときはまるで海の上を走っているような気分。バイクでアイランドホッピングを楽しんでいるような感覚です。走りながら磯の香りを感じたり、自由に脚を止めて美味しい食べものに出会ったり。はじめて走った“しまなみ海道”は今までのツーリングで一番楽しい思い出になりました。そして、父と一緒にツーリングするのが夢だったこともあって、そのとき、この“海の上の道”を今度は父と一緒に走りたいなって思っていたんです」

しまなみ海道は、まるで海の上を走っているかのような感覚を体験できる

 尾宮さんは昨年の10月に結婚式を挙げました。でも、式には父親に出席してもらうことができませんでした。
 「父はがんに罹患して、長いあいだ闘病中だったんです。私の結婚式と手術が重なってしまい、一緒にバージンロードを歩くことができなかったんです」
 手術と、つらい抗がん剤治療による闘病に耐えて寛解したら、360度、海と空に囲まれたあの道を、若いときにバイクが好きだったという父親にも走って欲しかった。大自然の中を走る爽快な気分を味わって欲しかった。尾宮さんはその夢を今年(2022年)のゴールデンウィークに叶えました。
 「私と夫と、ようやく病室から出られるようになった父との3人でバイクを借りて、しまなみ海道を走りました。母親も車を運転して後から付いてきて」

 バージンロードのカーペットを瀬戸内海の上に敷き直し、母親に見守られながら父親と走って得た幸福感は、初めてその道を走ったときの「一番楽しかった」思い出とは趣を異にするものだったようです。

いつもそこにある、海

 尾宮さんは、玄界灘を望む福岡県の宗像むなかた市で生まれ育ちました。神輿みこしを載せた御座船と漁師たちの漁船とで船団を組み、はるか沖の“神宿る島”(沖ノ島)を目指して航行する、秋の「みあれ祭」で知られるように、勇ましく、勇壮な海のイメージのある港町、漁師の町でもあります。
 「いつも海は身近な存在でした。海に沈む夕陽がとてもきれいで、両親と一緒によく海辺に行ってたなあ、と思い出します。海を見ながらぼーっとしている時間が好きでしたね」

 ヤマハ発動機に入社して、静岡県の磐田市に暮らし始めても、気が向くと海に足を運びました。
 「海に陽が沈む光景を当たり前のように思っていたのですが、こちらに住むようになってから、そうでないことが寂しくて、少しがっかりしていたんです。それでもしばらくすると、浜松の街の方に沈む夕陽を海から眺めるのも素敵だと思うようになり、大好きな景色になりました」

 独身であった時はひとりで、そして結婚した今は夫と二人で、気が向くと、海に出かけます。今年は中秋の名月が海の上に現れるのを夫と二人で磐田の鮫島海岸で待ちました。

2022年の中秋の名月は磐田の鮫島海岸で眺めた

 「月が海の上に顔を出したとき、とても大きくて、不思議な色をしていて、まるでこの世の終わりかと思ってしまいました。それでも、月が光を海に投げかけて、道を作って、それがとても美しくて。そういえば、夫と初めてデートしたのは海でした。人生について考えたり、行き詰まったときに冷静になれたり、改めて物事を考えることができたり、私にとって、海ってそういう場所なんですよね」

バイクはSR400を所有。仕事柄、ボートのステアリングを握る機会もある

 つらいことや悲しいことは、沈めてしまうことができる。海が忘れさせてくれる。そして楽しみや希望を与えてくれるのも海。その海は、行けば必ずそこにある。待っていてくれる。それが尾宮さんの海を愛する理由のひとつです。

(題字:尾宮真有)






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