居酒屋さんで出合ったイカわたチャーハン 【レシピ- 船厨】
海に行かずとも、潮気の漂う食堂やレストランというのというのは街中にもいくらでもあって、海から遠ざかっているときなどは、気持ちを落ち着かせるのに役立ってくれたりします。
こちらは昔、通っていた都会の繁華街から少し外れたところにある居酒屋さんのいわゆる“裏メニュー”を思い出して作ってみたチャーハンです。
魚屋さんが経営していると聞いていましたが、とにかくメニューが豊富でした。そして、料理が総じて豪快でした。大将と、姉か妹かどちらか忘れてしまったけれど、とにかく女将も元気が良くて、楽しいときが過ごせるのです。フネの仲間と行けば、自然と潮気で満たされます。
何度か通っているうちにある「裏メニュー」も教えてくれました。その一つが、このいかイカわたチャーハンでした。いかの胆炒めを頼むと、「チャーハン食べる?」と尋ねてくれて、「うん、うん、食べる食べる!」とお願いすると、作ってくれたのです。どうやら胆炒めで余った残り汁をそのまま使っていたようです。で、めっぽう美味くて、たいがい締めはこれにしてました。
そのうちに、自分でも真似て作るようになったのですが、なかなか同じようにはできません。塩加減、油の量、そのほかにも隠し味のようなものがあるのでしょうか。お店のは、もう少し茶色っぽかったはずなのですが。卵黄が乗っかっていたのは間違いないです。
また、自作するときはイカを入れていますけど、裏メニューのチャーハンにはイカは入っていません。ご飯だけでした。イカは先に胆炒めとして食べてしまっていたので。
同じようにはいきませんけど、これはこれで美味い。イカわたの風味を楽しみながら、女将さんの元気や日本中のイカ釣り漁のことを思い出したりしています。食卓が楽しくなります。