気合いと笑顔と根性と。ヤマハセーリングチームに加わった新しい顔。 【We are Sailing!】
セーリング470級の世界選手権大会が10月21日からイスラエルのスドットヤムで開催されています(レースは24日から)。2024年にフランスで開催される世界大会から、470級は男女混合ペアによる種目となりますが、それに照準に合わせて結成した約60のチーム(ペア)がこの大会に出場しています。
レースを控えた22日に発信された大会本部からのリリースには、今大会の注目選手の名が記されていましたが、その中に一組の日本人のペアの名前がありました。ヘルムスマン・磯崎哲也とクルー・関友里恵。この二人は、9月からYAMAHA Sailing Team ‘Revs’(ヤマハセーリングチーム‘レヴズ’)に加わったばかりのセーラーで、この世界選手権がビッグレガッタの初戦となるペアです。また、磯崎と関の加入と同時に、前年まで470級のトップクラスで活躍していた小泉颯作氏を専任コーチとして迎え入れました。
女子でクルーを務める関友里恵は、1994年生まれ。香川県高松市の出身。関西学院大学時代には、470級で女子インカレ2連覇を果たした実績の持ち主です。ヤマハセーリングチームには、2016年のチーム発足時から女子チーム(スキッパーは宇田川真乃)の一員として在籍していました。残念ながらこのペアでは結果を残すことができず、関は2018年の途中でチームを離れ、ヤマハ発動機の社員として社業に携わっていました。
今回の470級での再チャレンジは、セーラーとしてチームと再契約して挑むもので、強い意気込みがあります。
「男女混合という新しい枠組みの中で、もういちど挑戦したかった。このチャンスを生かしたかった」と夢を追い続ける覚悟です。
ヘルムスマン(スキッパー)の磯崎哲也は、東京大会において代表の座こそ逃したものの、当時の代表争いの中ではかなり注目されていたセーラーの一人でした。今回の世界選手権の広報のリリースの中で名前が挙がったのも、その実績があったからに他なりません。
2018年、デンマークのオーフスで開催された世界選手権では銀メダルを獲得。同じ年のアジア大会では金メダルを獲得た磯崎は、1992年生まれ。
茨城県のつくば市に住んでいた少年時代に、家のポストに入っていた募集チラシを見て、霞ヶ浦のヨットスクールに通うことになったのがヨットを始めたきかっけ。
「とにかく友だちと一緒にセーリングするのが楽しかったです。スクール自体、それほどレースの勝敗にこだわる雰囲気はなくて、とにかく楽しければという感じで、それが合っていたんですかね」
中学時代にはOPクラスの日本代表として数度の世界選手権に出場するなど頭角を現し始め、高校は福岡県にヨット留学、以降、その福岡を拠点に、かつてヤマハセーリングチームに在籍し、幻のモスクワ大会代表でもあった三船和馬コーチとともに東京大会を目指してきました。
「目標まで時間は短いですが、いまは関さんとのコンビネーションのレベルアップが課題です。今年の世界選手権で結果が出せるとは思っていません。最終的な目標はパリ大会への出場資格を得ることです」
虎視眈々と代表の座を狙う磯崎哲也と関友里恵のペア。磯崎が「気合いと根性で頑張ります」といえば、関は「笑顔と根性で頑張ります」と応えるあたり、息も合っていそう。成長と活躍に期待したいところです。
髙山大智/盛田冬華、磯崎哲也/関友里恵の2組のペアでキャンペーンを続けることとなったヤマハセーリングチーム。ますます目が離せなくなりました。