癖になるカリビアンミュージックの珠玉は海にぴったり 【キャビンの棚】
ヤシの木が生えた海辺と黒人男性。いかにも海に合いそうなジャケットに心を惹かれ、カリブ海の島国トリニダード・トバゴのスーパースター、マイティ・スパロウの傑作「Hot And Sweet」を手に取りました。
トリニダード・トバゴのある中南米に位置するカリブ海は、サルサやレゲエなど、地域ごとにさまざまなポピュラー音楽が存在する音楽の楽園です。そんなカリブ音楽で代表的なものにトリニダード・トバゴ発祥のカリプソがあります。
日本では戦後に一大ラテン音楽ブームが起きたのですが、その代表的な曲になったのがカリプソ娘の「バナナ・ボート」でした。レゲエだってルーツを辿ればカリプソの影響が大きいです。そんな音楽好きにはたまらない魅力を秘めているスタイルがカリプソなのです。
今回紹介するのは、カリプソ・キングの異名をとるマイティ・スパロウが、1974年に発表した全盛期の1枚です。20人以上のバンドメンバーをしたがえつつ、自身もギターとボーカルで脂ののったパフォーマンスを聴かせてくれます。
CDを挿入し、最初に聴こえてきたのは、トリニダード・トバゴ訛りの英語で自虐的に歌う「Sparrow Dead」。歌詞はわからなくても、カリプソは、とても陽気な音楽とわかります。
そして、2曲目の「Chinese Love Affair(中国人の恋路)」はとても楽しいナンバーです。ロマンチックな恋の歌ではなく、中華風のメロディが異国情緒たっぷりの空気を演出してくれます。
カリブの音楽は海に合いそうな曲ばかりでした。なかでもカリプソは、カーニヴァルの行進用の音楽として生まれたこともあり、聴いていると気持ちを盛り上げてくれます。マイティ・スパロウの独特の声は、一度聴いたら癖になります。