煮干しはれっきとした食べ物です ! 「煮干しの炊き込みご飯」 【船厨-レシピ】
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煮干しはれっきとした食べ物です ! 「煮干しの炊き込みご飯」 【船厨-レシピ】

 煮干しというと、多くの人が日本料理の「出汁」を思い浮かべるのではないでしょうか。実際、煮干しは和食に無くてはならない存在で、また、ラーメン(これも、もはや和食なのかもしれませんが)のスープなんかにもよく使われます。それでもいわゆる昭和(といっても中期以前?それも一部?)の子どもなどは、貴重なカルシウム源とばかりに煮干しをそのままおやつに食べていました。少なくとも筆者は、いまのようにみりんで味付けされた、そこそこ美味しいスナック風のおやつではなく、堅い煮干しを、むしゃむしゃ食べていました。正直に言うと苦いばかりで、美味しいとは感じられませんでしたが、なんだか、煮干しを美味そうに食べることは、大人になるための条件のような気がして、何食わぬ顔でむしゃむしゃやってました。実際に煮干しを食べている大人なんて周りにいなかったような気がしますが。

 そんな煮干しを出汁の素としてでなく、再び「食べ物」として認識することになったのは、長崎県の橘湾で、煮干しの材料となるカタクチイワシを獲る漁船に乗ったことがきっかけでした。
 詳しい漁法については省きますが、漆黒の海の上で集魚灯を煌々と焚き、イワシを獲るシーンはまことに美しく、幻想的ともいえました。 漁師たちはカタクチイワシを水揚げすると、すぐに自家工場に運び、その日中に「煮干し」に加工します。さっと茹でたあと、乾燥室に入れて仕上げる前に、湯を切るためいったん屋外で軽く干すのですが、湯気が立ちのぼるカタクチイワシをみていると無性にそれをつまんで食べたくなりました

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 とてもありがたいことに、漁師さんは、できあがったばかりの煮干しを大きな袋に詰めて、土産に持たせてくれました。家に着いてから改めて見た煮干しは、やさしい銀色をしていて、それはそれは美しく、麗しい香りを放っていました。そして煮干しになる直前の、湯気を立てていたカタクチイワシを見て「つまみ食いしたい」という衝動に駆られたことを思いだしました。出汁に使うだけではもったいないとばかりに、いくつか料理にしてみることにしました。

 そのひとつが、この「煮干しの炊き込みご飯」というわけです。日ごろ脇役に徹している煮干しを美味しく食べるために、出汁として高価な利尻産の昆布にご登場願いました。煮干しの晴れ姿です。もちろん煮干し自身からも素敵な出汁が出ています。特有の苦味のもととなる頭と内臓の部分は、ひとつひとつ取り除いてから米の上に載せます。
 愛情と感謝を込めて作った炊き込みご飯は絶品でした。

煮干しの炊き込みご飯
■材料(4〜5人分)
米3合、煮干し30g、昆布10g、酒大さじ1と1/2、みりん大さじ1と1/2
■作り方
1)米を研ぐ
2)煮干しの頭とはらわたを取り除く
3)炊飯器の底に昆布を敷き、研いだ米を入れ、酒、みりん、醤油を加え、分量どおりの水を入れ、1時間程おき炊く。
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