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海が育んだ旨味成分たっぷりのパスタ。 【レシピ- 船厨】

 これは小さな子供でも知っていることだと思うのですが、イカというやつは外敵に襲われると目くらましに墨を吐きます。だから、明け方、漁港に帰ってくるイカ釣り漁船は、たいていはイカスミで真っ黒に汚れています。

 このイカスミには旨味成分が含まれていて、イタリア料理では当たり前のように使われているようです。よくある言いぐさだけれども、この真っ黒な液体を初めて口にした人——イタリア人だか、スペイン人だかは知りませんが、ほんとうに「よくぞやってくれました!」と感謝したくなります。

 地中海沿岸だけでなく日本でもイカスミは食材に使われてきました。たとえば沖縄ではその名もそのまま「イカスミ汁」という郷土料理があります。イカ、豚肉が入っていて、カツオのだしとイカの墨で作られた、芳醇な味わいの汁物です。
 富山には「イカの黒づくり」という塩辛があって、これにも古くからイカスミが使われてきました。これまた美味いです。

 さて、自家製トマトソースがあったのでペスカトーレを作ってみました。パスタには「スパゲティ・コン・ネーロ・ディ・セッピア」を使用。かっこつけて使ったこともない正式名を調べて書いてみましたが、ようするにイカスミを練り込んで作ったスパゲティです。独特のコシがあって、すばらしい風味があります。なんといっても視覚的にも客をもてなすにインパクトがあります。そして簡単。おすすめです。
 海が育んだ旨味成分をぜひ堪能してください。

「イカスミ入りパスタのペスカトーレ」の作り方

■材料(4人分)
エビ/タコ/イカ/ハマグリなど適宜、スパゲティ・コン・ネーロ・ディ・セッピア(イカスミ入りスパゲティ)500g、トマトソースまたはホールトマト400g、オリーブオイル適宜、ニンニク2片、赤唐辛子少々、白ワイン少々、塩少々
■作り方
1)エビ、タコ、イカ、ハマグリなどの魚介を下準備し、軽くつぶしたニンニク2片、赤唐辛子をオリーブオイルで中火で炒める
2)軽く色づいたらニンニクを取り出し、魚介を入れ、白ワイン少々、ホールトマトを400グラム加えてふたをする
3)貝のふたが開いたら味見をしながら塩を加える
4)アルデンテにゆでたイカスミ入りスパゲティを加えよくあえて皿にもる

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