見出し画像

ボートはやっぱり楽しかった、というお話。 【クリエイターさんたちとの体験クルージングイベント】

 12月のはじめに、東京の勝どきにあるマリーナからボートを出して、都内の河川や運河といった水路を巡り、さらに東京港、羽田の沖を走って戻ってくるクルージングを楽しんできました。

 その日は、このヤマハ発動機の公式note「海の時間です。」を開設してから1年と6ヶ月と4日が経っていました。特に「記念日」というわけでもありません。ただ、「オフラインで何か楽しいことやってみたいね」「読者になってくださった他のnoteクリエイターさんたちと一緒にボートで遊んでみたいな」という担当者のアイデアによるイベントでした。こんな担当者の「楽しかろう」という思いつきがささっと実現するのは、物書き、写真撮りとして長年お付き合いしてきた拙子が感じる、この会社の特質と言ってもいいところで、本人たちは気づいていないかもしれませんが、第三者として感じるヤマハ発動機という会社の大きな魅力なのです。手前味噌ですみません。とにかく、みんな楽しいことが大好きなのです。

 12月に入ってから、寒い日が多くなっていましたが、この日は、美しく晴れた、穏やかな天気でした。この招待に応じてくださった3名のクリエイターさん、そして拙子を含む5名のnoteを運営する部署のスタッフ、会場となった勝どきマリーナからは2名のキャプテンさんが参加し、2隻の小型ボートに分乗して出航しました。

 とにかく、楽しかったです。どれだけ楽しかったか、感動があったか、詳しくは参加してくださったクリエイターさん達がそれぞれのページに書いてくださった記事をご覧ください。

 で、一応“ベテランボーター”を自任する拙子は2点に絞って、この日、感じたことを、いつも通り、ちょっとばかり上から目線で記してみます。

発見の多い、楽しい一日

はじめて目に映る景色が新鮮な感動だったりすること

 非日常の景観が新鮮であること。これは、参加してくださった皆さんが共通して感じたことのようでした。バイクや車で走る主高速道路、仕事中や休みの日に何気なく渡る橋、日々通り過ぎる電車の駅、海抜ゼロメートルの位置から目に映るそれらの景観は異彩を放っています。

 拙子としても、これまでプライベートや仕事を通して何度となく走ってきたコースなのに、やはり面白い。

 神田川を走っているとき、中央線・総武線のお茶の水駅の脇を通り過ぎます。この日、手前のトンネルの向こうに丸ノ内線が神田川を渡ってその先のトンネルの中へと走り行くシーンを目撃しました。子どもの頃、この場所が大好きだったことを思い出します。

電車の下を電車が通ってそのまた下をボートが通る、ジオラマみたい

 極めて個人的な思い出話ですが、当時、拙子が暮らしていた東京の西部にある日野市というところから、東京の東の端にある“北千住の婆ちゃんち”に行くときに、電車に乗ってここをよく通り過ぎていました。中央線の電車の窓から神田川を見下ろしていると、地下鉄のトンネルから丸ノ内線の紅い電車が飛び出してきて、ひとときの間、眼下を併走するのです。そのシーンを見るのが大好きでした。ガタンガタンガタン。子どもの頃に耳にしたリズミカルな電車の音も蘇ってきます。

 プラレールというオモチャをご存じですか? 自分で青いプラスティック製の線路を組み立てて電車を走らせるロングセラーのオモチャです。先述した中央線と地下鉄が交差するシーンは、まるでプラレールの世界です。この日は、ボートから眺めるそのシーンを楽しむと言うよりも、プラレールを組み立てる子ども時代の自分をイメージしてしまいました。そのプラレールの世界にボートを置いてみる。子どもの時には思いも付かなかったことです。水辺から線路を見上げると同時に、その反対側の、さらに向こうにある空から、電車とボートを見渡す景色をイメージしました。ワクワクすると同時に、無償で愛を注いでくれた祖父母のことを思い出したりなんかして、少し切ない気分を味わいました。

知ることの楽しさ、知っていることの楽しさ

 今回のクルージングに連れて行ってくれた船長キャプテンは平山尚さんと児玉絵美さんのお二人です。二人とも強烈な存在感でした。とにかく何でも知っているのです。くぐり抜ける橋の名前、その橋がどのようにして造られたのか。川の両岸に積み上げられた石垣の話。江戸時代の船宿や舟遊び、花町の歴史。本当に何でも知っています。クルージングの途中、ふたりは休むことなく、懐から様々なネタを引っ張り出して、披露してくれます。クルージングに参加してくださったみなさんも、とても興味深くその話に耳を傾けていたことが印象的です。

自船の曳き波。こうした曳き波にも種類によって名前があります

 知っていることと、知ろうとすることは、海での遊び、ボート遊びをますます楽しくしてくれます。今回のように、古くから物語を積み上げてきた情緒ある水路を走るときは、そのことを強く感じるものですが、広い海に出ているときも同じだと拙子は思っています。海は好奇心をかき立てるもので溢れんばかりです。

羽田の沖からひっきりなしに離着する飛行機を眺めた。
船長さんは、それらがどこへ飛ぶのか、どこからやってきたのか、アプリをみながら教えてくれた

 流れゆく雲の名前。それらの雲が現れたときに起こる気象の変化。観天望気(自然現象から判断する天気予報)。海鳥の名前。カモメとウミネコの違い。ときどき遭遇するクジラの名前。そのクジラはなぜそこにいるのか。沖に浮かぶ島の名前。島に伝わる伝説。その島の美味いもの。操業中の漁船はどんな魚を獲っているのか。ボートに乗りながら湧き出てくる、知りたいと思うことのテーマは数えきれません。

 繰り返しますが、楽しかったです。そしてもう一度、こんな機会に恵まれたなら、私たちも船長に負けないぐらい、海や海の乗り物のお話をみなさんにたくさん提供できたらな、なんて思った次第です。

 ありがとうございました。

※タイトル写真:児玉絵美(勝どきマリーナ)


いい記事だと思ったら、ハートマークを押して「スキ」してくれると嬉しいです。 「スキ」すると、季節のお魚イラストが釣れるかも。今日は何の魚かな?