小さく、かわいらしく、美しい香りを楽しむ 「サクラエビご飯」 【レシピ- 船厨】
かき揚げ天ぷらやお好み焼きなど、どこか脇役的なイメージのあるサクラエビ(桜海老)。それでもエビ好きの日本人からは、クルマエビやイセエビにも劣らぬ人気があります。
サクラエビ漁が行われているのは日本で唯一、静岡県の駿河湾だけ。県によって徹底した資源管理が行われ、許可を受けた60カ統・120隻(2隻が一組になっての漁)の漁船だけが、3月下旬から6月上旬まで、10月下旬から12月初旬までの二期に分けて漁を行っています。
サクラエビ船団の漁港は三カ所。夕方に、それぞれの港から次々と出航していくサクラエビ漁船の姿は勇壮そのものです。
今年の一期目の“春漁”はつい先日終えたところです。ここ数年、記録的な不漁が続いていたのですが、漁獲量を調整しながら乗り切り、今年は回復傾向にあるとのことです。
鮮度を保つのが難しいエビなので、生で口にできる機会はめったに無いものですが、干し海老にしたモノは日本中に流通しているはず。ありがたいですね。
今さら説明するまでもありませんが、サクラエビの名の由来はその美しい色にあります。 体長は4センチ前後の小さな、桜色が美しいエビです。
そのサクラエビを使って炊き込みご飯をつくりました。いつも思うのですが、桜色の混じった、このご飯は赤飯代わりに、祝い事にもいいかもしれません。その意味ではこのコーナーで最初に取り上げた“船厨的ソウルフルフード”のタコ飯に通じるモノがあります。地味だけど、食卓を温かく、そしてほわっと明るくしてくれます。
調理する前にフライパンなどで軽く煎っておくと、風味が倍増します。カッコいい漁の様子を想像しながら、旬の味覚を楽しんでみてください。