最後の仕上げがイベントになる、アカハタの酒蒸し中華風 【レシピ- 船厨】
マダイを狙って釣り糸を垂れていると、しょっちゅうハタの仲間が釣れます。釣り人が下手っぴなのか、はたまた釣り糸を垂れる場所が間違っているのかどうかわかりません。けれども同じ場所で、同じような仕掛けでマダイも釣れるので、あながち釣り方が間違ってるともいえないようです。
それならば、最初からハタを狙って釣りをしてみると、あら不思議。これまでいわゆる“外道”扱いしてきたハタなのに、狙って釣ってみるとかなり満足度が高い。そんなものなのか。
さて、ひとくちに「ハタ」といっても、釣り上げてすぐにその魚種名を正確に言える釣り人はかなりの上級者なのではないのでしょうか。ざっと図鑑で調べても、「ハタ」が名に付く国内の水産物は実に60種以上もあるのです。そんなことから、以前にこのマガジンでもとりあげた「幻のハタ=モジハタ事件」のようなケースが発生するわけです。この日はメインターゲットだったアカハタと、モジハタではなく正真正銘のキジハタを釣りました。
アカハタは美しい魚です。マダイの赤とは異なる、いわゆる深紅なのです。そして美味いんです。調理法は様々にあるので迷いましたが、今回も中華風に煮てみました。最後に充分に熱したごま油を回しかけるのがポイント。皿に盛り付けた後で、ごま油が軽く煙を立てながらジュジュッと音を立て、おまけに香りが沸き立ちます。
感謝祭に七面鳥をドーンとテーブルに置く時、石窯から熱々のピザを取り出す時、ゲストが「わーい!」となる、それらに似たようなイベント性がある料理で、確かにみんなで「わーい!」となりました。ぜひ楽しんでみてください。