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冒険は南半球の大陸から北国の海へ。 【社員紹介-私が海を愛する理由】

 オートバイメーカーとして広く知られる私たちヤマハ発動機は、ボート、水上オートバイ、船外機(ボートの外付けエンジン)といった「海」に関する製品もつくっています。そして、その製品を開発し、製造し、お客様にお届けする社員には、海を愛してやまないメンバーが沢山います。
 「私が海を愛する理由」は、そんな彼らに、海をスキになったきっかけ、海での思い出、おすすめの楽しみ方、こだわりなど、”海への愛”をとことん語ってもらうシリーズです。社員一人ひとりの想いにのせて、みなさんとも海のすばらしさを共有できますように。

 「海は確かに好きですけど、僕の場合、内水面の釣りの話が多くなってしまいそうです。それでもいいですか?」
 こうして自身の大好きな釣り体験を話すのは森悠起さん。森さんは当社・マリン事業本部で漁船をはじめとする舶用製品の担当で、現在は北海道小樽市の営業所に勤務しています。漁船の販売は道内の販売店さんを通してのものですが、それでもエンドユーザーである漁師さんと直接お会いして話をする機会が多く、時には漁に同行し、操業を手伝うこともあります。「海を知り尽くしている漁師さんとの交流は刺激になります」と森さんはこの仕事の魅力を語ります。

北海道での釣りの日々

 この北海道に赴任してから、森さんは、オフタイムを利用してさまざまな釣りを楽しんできました。
 世界遺産にも指定された知床半島の素晴らしい自然を背に、遠目に熊を眺めながら樺太マスを釣り、江差や松前沖まで対馬海流に乗って北上してくるクロマグロを狙い遊漁船に乗り込みました。そして、北海道にやってきてから手に入れたインフレータブルボート(ゴムボート)では、主に小樽にも近い積丹半島周辺で釣りを楽しんできました。
 「釣りの魅力は予測がつかないこと、ですかね。万端の準備をして、いざ釣りに行ってもまったく釣れないことがある。逆に想定していた以上に楽しませてくれることもあります。そして、ありきたりな言葉かもしれないけど、海にはロマンがあります。小さなインフレータブルボートで海に浮かびながらぼけーっと水平線を眺めているだけでもいい。癒やされます」

写真左:知床半島での海釣り。右上:釣果の樺太マス。右中:釣った鮭の筋子からつくるいくらは絶品。右下:松前沖で同行者が釣った50キロ超のクロマグロ

 さて、森さんのインフレータブルボートにはもちろんヤマハ船外機が取り付けられています。そして船外機はヤマハ発動機に入社するきっかけのひとつにもなっています。
 「学生時代に釣りをしながら海外を旅したことがあって、そのとき、本当にあちこちでヤマハの船外機を見かけました。どこの水辺にいってもあるんですよ」

 森さんは大阪で生まれ、川崎(神奈川県)で育ちました。子どもの頃から生き物を捕まえたりするのが好き、自然のなかで遊ぶのが好きだったという森さんですが、釣りはといえば、ときどき釣り堀で楽しむ程度だったといいます。釣りの世界にぐっと惹きつけられたのは大学に入学後のことです。
 「入学前は華やかなキャンパスライフに憧れにも似た気持ちがあって、大学に入ってからはいわゆるキラキラしたサークルにも参加してみたんですけど、どこかそういう雰囲気になじめない、向いてないなあと感じて、それで釣り部に入ったんです」
 小笠原への遠征旅行など、仲間といろいろな釣りを楽しみました。いい釣りがあり、良くない釣りもあり、そんな自然を満喫してきました。そしてある日、出会ってしまったのです。あの本に。そして考えてしまったのでした。「自分もこんな旅と釣りをしてみたい」と。

「オーパ!」が導いた南米への冒険釣行

 その本こそ、開高健の旅行記オーパ!でした。アイザックの「釣魚大全」がヨーロッパの、世界の釣り人のバイブルなら、「オーパ!」は日本人の釣り人にとってのバイブルといえるかもしれません。
 「学生時代に南米を二度旅しました。最初は3年の夏休みの時です。ブラジルへ。日本でかなり準備をしました。予定もきっちり決め、フィッシングガイドも日本でちゃんと決めて」
 それはそれで楽しい思い出になったかもしれませんが、森さんはそれに飽き足らなかったようです。
 2回目の南米は翌年、休学して南米に行くことにしました。開高健が釣ろうとして果たせなかったピラルクーを釣る。そしてドラドを釣る。目標を明確にしました。ピラルクーは世界最大の淡水魚、ドラドは南米に生息する獰猛な怪魚として「オーパ!」に登場するゲームフィッシュです。

 「1回目の時とは違う旅にしようと、交通手段や宿やフィッシングガイドも事前には決めずに、すべて現地で手配しながら釣りの旅をしました。ペルーからボリビア、ガイアナ、ブラジルなど、どこをどう通ってきたか、細かいことは忘れちゃいましたけど、マチュピチュなどの観光地にも立ち寄ったりしましたから高低差も距離もけっこうありました。移動はほとんどバスです」

ルアーに獰猛にアタックしてくるドラド。そのパワーはステンレスのフックを簡単に曲げてしまうほど。ボリビアで釣った

 いろいろな人に会い、いろいろなものを見て、いろいろな食べ物を口にしました。目的のゲームフィッシュとの出会い——、ガイアナでピラルクー、ボリビアでドラドを釣ることができました。
 「言葉にするのは難しいですが、最高に冒険心を満たしてくれる経験でした。一日、一日、毎日が楽しくて仕方がなかったです」
 まさに「オーパ!」(アマゾンで感嘆したときに使う言葉)の日々だったわけです。

念願のピラルクーはガイアナで釣った。魚に敬愛を抱く釣り人は自ら水に入って魚を迎え抱きかかえる

 森さんが北海道に赴任してから3年が経ちました。もちろん仕事のために北海道に暮らしているのであり、こんなことを言ったら本人にも叱られるかもしれませんが、北国の海での漁業の経験や漁師さんたちとの出会い、大自然の中での釣り、水辺で過ごす休日は、学生時代から続く、森さんの冒険の続きのようにも感じられます。
 「北海道での釣りはもちろん楽しいんですが、なかなか同世代の友だちもできないので、実を言うと、少し寂しくもあるんですけどね(笑)」

(題字:森悠起)


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