恐怖心から生まれる荒唐無稽な話の楽しさよ。 【キャビンの棚】
夏が怪談の季節なのは、怖い話を聞くと背筋がゾクっとして、いわば寒気と似た感覚を味わえるからということになっています。実際、ストレスによって交感神経が活発になると、発汗が促され、皮膚表面の血管も収縮して、体温が下がります。
経験的にそんなことを知っていたんでしょうね。庶民文化の華が咲いた文化文政の江戸市中では、先祖の霊魂が戻ってくるとされるお盆の季節に合わせ、「涼み芝居」と称して怪談歌舞伎を特別興行されました。今の「夏フェス」の先駆けなのかもしれません。往時の三大怪談は『