「山とは海の一部である」と考える、傲慢な海幸彦 【Column-潮気、のようなもの】
いつも思い、なんども書いてきたけれど、海というのは沖に出てしまうと、たいていは同じ景色だ。もちろん、波の大きさや風の強さ、光の当たり方、潮の色などによって表情は異なるし、どんな海でもそれはそれで素敵なのだけれど、ちょっとした長めのクルージングのときなど、ただ海だけが見える景色が延々と続くとなると、話が異なる。正直言って、少しばかり飽きる。
ふだん、人前では、さもストイックに海を愛しているように装ってはいるのだけれど、本当のところ「いつまで海を見ていても飽きない」などと胸を