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Column- 潮気、のようなもの。

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海辺を歩き、湖畔や川辺に立ち、フネで沖をさまよう、マリンジャーナリストたちが見て、聞いて、知って、感じたことなどを綴っていきます。
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記事一覧

訓練されたクルーが近くにいてくれることの幸運について 【Column-潮気、のようなも…

 「体育会」とは要するに大学の各運動部が集まった組織体のことなだが、そこに身をおいた者の…

気になる、もうひとつの前線。 【Column- 潮気、のようなもの】

 温暖前線、寒冷前線、そして停滞前線。船乗りにとって、気象の変化をもたらす前線の動きはと…

アドリア海の真珠〜再興した美しい港町 【Column- 潮気、のようなもの】

 あるオールドソルトにお話しを聞く機会があった。国際的なカリキュラムに沿ったヨットスクー…

日本の表、能登半島・輪島のこと〜被災された全ての皆様にお見舞い申し上げます。 【C…

 いわゆる“昭和”世代以外の方々には馴染みのない言葉かもしれないが、本州の日本海側の一帯…

海と音楽とアルバムジャケットの話。 【Column- 潮気、のようなもの】

 タイトルに置いた写真は、ある年のクリスマスに、青森県の漁港で撮ったものである。世の中の…

新しいモノに戸惑う楽しさ。 【Column- 潮気、のようなもの】

 念願のマイボートを中古とはいえ手に入れて、そろそろ半年が経つ。これは以前にも書いたこと…

海抜ゼロメートルの平安。 【Column-潮気、のようなもの】

 標高3810メートルに水を湛える、“天空の海”から、リマに戻ってきたときは正直いってほっとした。チチカカ湖は興味を引かれるものでいっぱいの、素敵なところであったけれど、何かに気兼ねしているかのように行動しなければならなかった。話すときも歩くときも静かに振る舞っていた。そうしていないと、体調に異変をきたしかねない空気に包まれていた。  ペルーの首都・リマの南方250kmほどにパラカスという町がある。リマから車でやってきて、海辺のホテルに投宿したときは、我が家に帰ってきたとき

天空の海を、そっと渡る。 【Column-潮気、のようなもの】

 南米のチチカカ湖の畔にあるホテルで数日滞在したことがあって、それは拙子が自慢できる、数…

とりとめもなく、キーウエストとヘミングウェイと「老人と海」のことなど。 【Column-…

 米国・フロリダ州のマイアミから USハイウェイのルート1をひたすら南下し、広大な湿地帯を抜…

近いようで遠くて、遠いようで近い。 【Column- 潮気、のようなもの】

 埼玉県西部地区にある、拙子の自宅兼仕事場の最寄りのインターチェンジから高速道路を使うと…

「灯台」は愛されるべき存在なんです。 【Column- 潮気、のようなもの】

 もちろん灯台の存在は子どもの頃から知っていた。でも、その頃は、灯台の果たす役割について…

船に名前をつける、ということ。 【Column- 潮気、のようなもの】

 マリーナの係留桟橋に並ぶボートやヨット、漁港に浮かぶ漁船などを見ていると、それぞれの船…

アジアの水都・バンコクで日本の“大航海時代”を回想する 【Column- 潮気、のような…

 各国の入国規制が緩和され、非常事態宣言など厳しい感染防止対策を取っていたタイも、ほぼ平…

東京湾で見た、或る日の勇魚。 【Column- 潮気、のようなもの】

 のんびりボートを走らせていたら、遠くの波間に潮を吹く黒い影が見えた。  「えー!? ここ、どこだっけ? 東京湾だよな。しかも羽田の沖だよ」  ボートの上には自分一人だけだったので、実際には声は出していないのだけど、とにかく驚いた。潮を吹き上げた黒い物体の正体は鯨=クジラであった。  3月の暖かい土曜日に、釣りをしようと東京の湾奥にボートを走らせた。なあんて、さも日常的にボートで遊んでいるかのような書き方をしたけれど、忙しい日が続いていたこの日は、現実逃避と言った方がしっく