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Column- 潮気、のようなもの。

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海辺を歩き、湖畔や川辺に立ち、フネで沖をさまよう、マリンジャーナリストたちが見て、聞いて、知って、感じたことなどを綴っていきます。
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#エッセイ

気になる、もうひとつの前線。 【Column- 潮気、のようなもの】

 温暖前線、寒冷前線、そして停滞前線。船乗りにとって、気象の変化をもたらす前線の動きはと…

日本の表、能登半島・輪島のこと〜被災された全ての皆様にお見舞い申し上げます。 【C…

 いわゆる“昭和”世代以外の方々には馴染みのない言葉かもしれないが、本州の日本海側の一帯…

新しいモノに戸惑う楽しさ。 【Column- 潮気、のようなもの】

 念願のマイボートを中古とはいえ手に入れて、そろそろ半年が経つ。これは以前にも書いたこと…

とりとめもなく、キーウエストとヘミングウェイと「老人と海」のことなど。 【Column-…

 米国・フロリダ州のマイアミから USハイウェイのルート1をひたすら南下し、広大な湿地帯を抜…

「灯台」は愛されるべき存在なんです。 【Column- 潮気、のようなもの】

 もちろん灯台の存在は子どもの頃から知っていた。でも、その頃は、灯台の果たす役割について…

東京湾で見た、或る日の勇魚。 【Column- 潮気、のようなもの】

 のんびりボートを走らせていたら、遠くの波間に潮を吹く黒い影が見えた。  「えー!? ここ…

いい引き波、悪い引き波。 【Column- 潮気、のようなもの】

 「前だけを見ろ、後を振り返るな」  なんだかカッコいい気がするけれど、船の上では大きなお世話である。  私は船に乗るとき、特にゲストとして乗るときは、しょっちゅう後を振り返る。前を見ても水平線しか見えないクルージングの最中、振り返ると、何もないはずの海の上に、まるで「走り抜けてきた証である」とでも言いたげに航跡がみえる。美しい。大好きだ。それに船に弱い人は、それを眺めていれば、船酔い防止にもなる(かもしれない)。  航跡が造る波を航跡波という。以前は昭和に大活躍していた海

海洋国家の人々は魚が好きなんだ。 【Column- 潮気、のようなもの】

 世界中のフットボールファンが熱狂するワールドカップの準々決勝でポルトガルが敗退してしま…

海で人々を助けるヒーローたちも楽しんでいるんだよ 【Column-潮気、のようなもの】

 寒くなってくると、決まって南半球の海を思い出す。いうまでもなく、南半球では、季節が日本…

運河に流れる人々の夢や希望に思いを馳せる 【Column- 潮気、のようなもの】

 世界には海や湖、河川だけでなく、たくさんの運河や水路があり、その多くが楽しいボートの遊…

船を発明する以前の人類は、泳いで海を渡ったのである。 【Column- 潮気のようなもの…

 大好きな子ども向けの絵本がある。船の絵本だ。最初に「船のはじまり」というページがある。…

観天望気とはかない夢 【Column- 潮気、のようなもの】

 夏のクルージング。沖にもくもくとたつ入道雲が、いかにも“夏真っ盛り”という風情で、気分…

「山とは海の一部である」と考える、傲慢な海幸彦 【Column-潮気、のようなもの】

 いつも思い、なんども書いてきたけれど、海というのは沖に出てしまうと、たいていは同じ景色…

ご機嫌な贈り物 【Column-潮気、のようなもの】

「海を見たことがなかった少年」は、フランス人の作家、ル・クレジオによる同名の短編集に収められた小説です。 彼は道を走り、砂の斜面をよじのぼってゆく、すると風はますますきつく吹いて、未知の響きと匂いとを運んできた。それから、彼は砂丘の天辺に達し、すると一挙に、それが見えた。  それはあった、いたるところ、目の前に、涯しなく、山の斜面のように膨れ上がり、その青い色を深く輝かせ、間近に、そして高い波、また波があって彼の方へ押し寄せてくる。 「海を見たことがなかった少年」 (著:ル